Columbia Gorgeの火事の続報ですが、日本にも輸入されているワイナリー「シンクライン(Syncline)」も大きな被害を受けています。畑は6エーカー以上焼失。ワイナリーは無事なようですが、立ち入りできないため状況は不明だそうです。畑で残ったブドウも、今年のワインには使えないだろうとのこと。濃い煙に長時間さらされており、煙汚染の影響を排除できないとワインメーカーは考えています。
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暗いニュースが続いたところで、いい話も。

ワシントン州のドライの白ワインに、初めて評論家の100点が付きました。これまで赤ワインでは2006年にクィルシーダ・クリーク(Quilceda Creek)がワイン・アドヴォケイトで、デザートワインでは2012年のシャトー・サン・ミシェル(Chateau Ste. Michelle)のEroica Single Berry SelectがWine & Spirits誌で100点を取っています。
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ドライの白ワインとして100点を取ったのは「2022 Tenor La Reyna Blanca Vineyard Chardonnay」。残念ながら国内には入っていないワイナリーです。100点を付けたのはジェブ・ダナック。なお、Wine Advocateでは93、Vinousでは94点となっています。

ジェブ・ダナックのコメントは「快楽的でフローラルな美しさとリッチなミッドパレットを持つ2022年のシャルドネ、ラ・レイナ・ブランカ・ヴィンヤードは、単一畑で20ヶ月の樽熟成を経て、111ケースのみ生産された極上のワインだ。白桃が主役で、スパイスの効いたオークの強さとみずみずしいテクスチャーが、表情豊かで複雑な深みとカルダモン、クローブ、マジパンの魅力的なミックスを引き立てている。このワインは本当に驚かされ、ボトルがなくなった後もずっとあなたの心に残るだろう。10~12年、いやそれ以上熟成させる価値がある」

畑はロイヤル・スロープAVAにあります。ロイヤル・スロープはコロンビア・ヴァレーの中でやや北の方にあるAVAで、標高が610フィートから1756フィートまでと、AVAの中でも300mほどの落差があり、南向きの斜面がずっと広がっています。この標高のため、温暖ですがやや冷涼感もあるようです。ワシントン州のシラーで初めて100点を取ったKヴィントナーズの「ロイヤルシティ」もこのAVAで、初シラー100点と初シャルドネ100点を生み出したことになります。