私も最近知ったのですが、「In Pursuit of Balance」というグループができています。目的は「バランスが取れたピノ・ノワールやシャルドネ」を広めていこうというもの。2011年にサンフランシスコで最初のイベントを開き、今年春にはサンフランシスコとニューヨークでテイスティング・イベントを行いました。

「バランスが取れた」と一口で言っても、その実質が何であるかはなかなか難しい問題ですが、アルコール度が低かったり、酸がしっかりしていたり、新樽の比率が低かったり、といったところが指標になるようです。ただ、このグループでは特にその定義を決めているわけではなく、あくまでも参加しているワイナリの意識の問題ということのようです。

参加しているワイナリの一覧は


Au Bon ClimatやCaleraは日本でもよく知られていますが、なるほどというところ。Flowers、Freeman、Littoraiもそういうイメージありますね。古豪ですが近年人気実力急上昇のMount Edenも入っています。

Red Car、Ojai、Twomeyあたりは、自分の中ではバランスが取れたワインというイメージではなかったのでちょっと意外でした。例えばOjaiは近年、シャルドネでの新樽比率を下げるなど、確かにバランスを意識した方向に進んでいるようです。

Cobb、Kutchは最近日本への輸入が始まったワイン。どちらもインポーターはilovecalwineです。

なお、Vinographyに、今年春のサンフランシスコの試飲会のレビューが載っていたので、リンクを置いておきます(Acid Freaks Unite!: Tasting Notes from In Pursuit of Balance 2012 - Vinography: A Wine Blog)。

消費者に大きな影響力を持つWine Advocate誌のカリフォルニアレビュアも、濃いワインが好きと言われているRobert ParkerからAntonio Galloniに変わったことで、Au Bon Climatに高い点が付くなど、変化が見られます。カリフォルニアワインも、今後はバランスというのがキーワードの1つになってくるのかもしれません。