ロバート・パーカーが主宰するニューズレターWine Advocate誌に大きな変化が起きています。まず、シンガポールベースの投資家3人から資本参加を得ること。第2に、編集長業務をシンガポール在住のLisa Perrotti-Brownに委ねること、合わせてシンガポールオフィスを開設すること。第3にレビュアを、これまでのフリー・ライターとしての契約から社員としての契約に切り替えること。第4に掲示板に広告を導入すること。

これについてはパーカー引退の布石ではないかという見方もあるようですが、本人の弁によると、むしろワイン評論に専念するためと思われます。

外部資本はワイン業界ではなく、オンライン読者へのPDF機能の提供といった、開発費を捻出することが主な目的のようです。

また、編集長の交代はパーカーが自身のテイスティングにより時間を割くためと、アジアの重視という2点を睨んでいるようです。今後はカバーエリアとして中国なども検討されているとのこと。アジアのワイン業界における日本の地位はますます下がっていきそうです。

レビュアの社員化は、昨年起きた収賄疑惑のような事態に対応するため、責任やルールを明確にすることを意識しているようです。

Wine Advocate誌は、今でもワインの資料として、個人的にも一番利用しており、今後にも期待しています。今回の変化が「終わりの始まり」ではなく「始まりの始まり」であるように、と思っています。