東京・青山のアカデミー・デュ・ヴァンで7月23日19時から、長澤鼎に関するセミナーが開催されます(特別セミナー「長澤鼎-ブドウ王になったサムライ 日本人ワインメーカーの始祖」)。

長澤鼎は鹿児島生まれ。幕末に薩摩藩の指令で英国に渡った少年団の一人でした。メンバーの中には初代文部大臣で、長澤と後年まで親交があった森有礼もいました。なお、長澤鼎という名前は渡航時に薩摩藩から渡された仮名で、本名は磯永彦助といいます。また、英国では、現在長崎のグラバー園の名前で知られている貿易商グラバーの実家で英語の勉強をしました。

その後、森有礼らと米国に渡り、トマス・レイク・ハリスという人のキリスト教共同体「新生社」に入社。ニューヨークでワインを作りました。

ハリスに気に入られた長澤は、他の日本人の帰国後も新生社の中核メンバーとして残り、ハリスらとカリフォルニアに移ってワイナリーを始めました。それがファウンテングローブ・ワイナリーで、ハリスの引退後は、長澤が教団からワイナリーを買い取り、カリフォルニアの代表的なワイナリーにまでなっていきました。

ブドウ王という言葉がまさにそのまま当てはまる人でした。

今回のセミナーではこういった長澤の生涯を『長澤鼎(ながさわかなえ) ブドウ王になったラスト・サムライ』の著者である多胡吉郎氏が解説するとともに、かつての長澤のブドウ畑の一部を今に引き継ぐパラダイス・リッジ・ワイナリーのオーナーが、「Nagasawa」の名前の付いたワインなどを紹介・試飲します。

ちょっと普通のワインセミナーとは違う趣ですが、長澤鼎についてよく知る貴重な機会になるでしょう。なお、アカデミー・デュ・ヴァンの会員は3780円、非会員でも4400円というとってもお得なセミナーです。

私も、長澤についてはもっともっと日本で知られてほしいと思っています。