ワインの劣化の中でも代表的なのが「ブショネ(コルク臭)」。一般に、コルクに由来するTCAという物質によって引き起こされるとされています。2000年代には、この問題を避けるために、スクリューキャップに代表される非コルクの栓が次々と使われるようになり、現在ではかなりのシェアを占めるようになりました。特にオーストラリアやニュージーランドではスクリューキャップの比率が高くなっています。

個人的にも、もうコルクの時代は終わるのではないかと思っていましたが、近年は品質が向上したコルクが増え、思ったほどのコルク離れは起きていないように感じます。

という流れを後押しするかのように、コルク関連の記事が2つ出ていたので紹介します。

1つは、コルクがワインの熟成にポジティブな効果を与えているという説(Cork releases beneficial phenolics to wine)。コルクがワインと接することによって生じる化合物が、樽と同様の熟成の効果を与えているという説です。Amorimというコルクの会社の研究者が述べているものですが、まだ証明されたものではありません。個人的にはちょっと眉につばを付けておいた方がいいのかも、という気もします。

【追記】本記事公開後、上のリンクの記事は消されてしまったようです。やっぱり大分怪しげな感じがします。

もう1つはコルク利用を謳うことが、販売促進につながるというもの。100%コルクというコルクの宣伝基金がボーグル、コッポラ、ガーギッチ・ヒルズ、ジョーダン、ラザフォード・ランチの5つのワイナリーと組んで調査しました。

それによると、サンフランシスコ・ベイエリアでコルクを使ったラジオ宣伝とインターネット広告を行ったところ、同地区での売り上げが6.4%増加したとのこと。同じ期間にトップ200のブランドで見ると5%下がっているので、コルクの宣伝が大きな効果をもたらしたと考えられます。

Wineries Increase Sales When Promoting Their Use of Cork