ナパやソノマにおける移動手段が大きく変わりつつあります(Transit Options on the Rise in Wine Country)。従来は、自家用車で行く以外はサンフランシスコなどから貸し切りのリムジンで行く、あるいはフェリーとバスを使ってナパまで行き、ワイントレインに乗るといったくらいしかオプションがありませんでしたが、Uberに代表される新世代タクシーの台頭によってその図式が崩れかけています。

Uberのロゴ

以前、「ワイナリーツアーにも価格破壊を起こすUber」という記事を書きましたが、そこで紹介しているUberWineというサービスは、従来のリムジンをそのまま置き換えるようなものでした。それに対して、既にナパやソノマではUberを使って現地まで行き、次に移動するときにはまたUberを別途呼ぶといった、貸し切りでない使い方が増えています。サンフランシスコのUberではナパが一番多い目的地となっているほどです。

Uber以外にはLyftGroundLinkといったサービスも使われています。また、タクシーライセンスを持っていない車が乗客を乗せるUberXも低価格の選択肢として人気です。テンプル大学の調査によると、UberXのサービスがある市ではそれがない市より、飲酒運転による交通事故死が3.6~5.6%低くなっているとのことで、飲酒運転を避けるためにこのサービスが使われている可能性があります。

ただ、いいことばかりではありません。例えばソノマの奥の方など、Uberを呼んでもなかなか来ないという場合が頻繁にあるようです。Jordanワイナリーによると、Uberを使う客は予約した時間に大幅に遅れることが多く、逆に試飲後も1時間近く待たされることが多いといいます。ソノマの場合、運転手の多くはサンタ・ローザ周辺におり、そこから遠いところでの近距離の移動には消極的だとのことです。

ソノマではこのほか2016年にサンタ・ローザまで開通予定のSMARTという電車が注目されています(ソノマについに電車が走る!将来はSFから接続も)。Uberなどの低価格タクシーとSMARTの併用で、よりスマートな移動ができるようになるかもしれません。