Wine Advocate誌の223号が発表されました。カリフォルニアでは「Focusing Primarily on Sonoma」というタイトルでロバート・パーカーがソノマのワインを中心にレビューしています。

最近では100点のワインが出るのが当たり前になってしまっていますが、今回も例外ではなく6本のワインに100点がついています。

そのうち3本はマーカッサン(Marcassin)。妥当なところですが、今回はシャルドネだけでなくついにピノ・ノワールでも満点が付きました。2014年のBessie’s Blockという非常に限定されたブロックのブドウを使ったワインのようです。シャルドネは2012年と2013年のMarcassin Vineyardが満点。

このほかポール・ホブズ(Paul Hobbs)が初の満点。ただし、ワインはソノマ産ではなくナパのベクストファー・トカロンとベクストファー・ドクター・クレーンの2本です。

残り1つの満点はスプリング・マウンテンのソノマ側に畑を持つヒドゥン・リッジ(Hidden Ridge)というワイナリー。「 2013 Cabernet Sauvignon Impassable Mountain Reserve」というワインです。「one of the most compelling and profound Cabernet Sauvignons I have ever tasted」ということでレビューの文章も、これ以上はないというほど褒め称えています。

ここは最大斜度55度という急斜面の畑でカベルネ・ソーヴィニヨンを作っています。ワインを作り始めたのは2003年からのようなので、まだ10年ちょっとの若いワイナリー。Wine Advocate誌でのレビューも2008ヴィンテージからとなっています。満点を取ったワインは定価125ドルですが、これですぐプレミアが付くでしょうね。まだリリースされていないようなので、今MLに申しこめばもしかしたらチャンスがあるかもしれません。55ドルのレギュラー版カベルネも97+という高得点。

このほかにも、高得点を取ったワイナリーで、あまり馴染みのないところがいろいろあります。

Bevan Cellars(ビーヴァン・セラーズ)は既にナパのワインで満点を取ったことがありますが、2010年のワインから急に高得点を取り出した、まだ新しいワイナリー。今回はシラーのMoaveni Vineyard 2013が99点。

Bevan CellarsのRussel Bevanがコンサルティング・ワインメーカーを務めるNine Sunsは今回が初登場で、ナパのプリチャード・ヒル産のカベルネ系のブレンドが98点。ワインはまだリリースされていないようです。

2013年のSyrah Obsidian Vineyardが99点を取ったDonelan Familyも2007ヴィンテージから掲載のワイナリー。

Jeff Cohn Cellarsはそれほど新しいワイナリーというわけではありませんが、これまではそれほどレイティングで目立つワイナリーではありませんでした。今回は2本のシラーが98点。どうも2013年のソノマのシラーはかなりいいようですね。

1998年以来16年ぶりに2014年のワインがレビューされたChase CellarsはEstate Reserveのジンファンデルが97点。ただ、ここは新参者でもなんでもなく、Turleyで有名なHayneの畑を持っているワイナリーだそうです。

発音が難しいワイナリーとして知られているGundlach Bundschu。正しくは「ガンロック・バンシュー」ですが、「グンドラック・ブーンドシュー」などと書かれているのを見たこともあります(参考:Gundlach Bundschu: 150年以上の歴史を持つカリフォルニア最古の家族経営ワイナリ)。

ここはカリフォルニアで2番めに古いワイナリーであり、一番古い家族経営のワイナリーなのですが、これまでワインの評価自体はそれほど高くありませんでした。それが今回2013年のメルローとプロプライエタリ・レッドで97点という高得点。ある意味、今回一番驚いたことでした。
ガンロック・バンシュー