「クヴェ(Kuvée)」という、現在開発中のワインボトルがあります。無線LANに対応し、ワインを開栓後30日間フレッシュに保つといいます。クラウド・ファンディングのIndiegogoで現在出資を受付中。5万ドルの目標のところを6万7000ドル以上集めている有望な製品です。
Kuveeワインボトル
(写真はIndiegogoから)



ちょっとおもしろそうかなという気もするのですが、この製品についての記事を読むと、かなり不思議な製品であることがわかります(Kuvée is trying to reinvent wine with a ridiculous Wi-Fi bottle)。


ビデオや写真で分かるようにクヴェはタッチスクリーンが付いたカバーと、それに差し込むカートリッジから成ります。カバーにカートリッジを差し込むと、タッチスクリーンにラベルやその他のワインの情報が表示されます。カートリッジ中のワインの残量もわかります。カバーは無線LANを経由してインターネットに接続でき、そこからカートリッジを注文できます。

カートリッジの内側はフレキシブルな袋状になっているようです。カートリッジの口は普段は閉じており、それでワインが酸素に触れるのを防いでいるようです。

何が奇妙かというと、まず大したメリットがないことです。30日ワインが持つのはいいですが、それだけなら既にCoravinがあります(「一度開けたワインを何年間もフレッシュに保つ革命的な新製品「Coravin」が登場」を参照)。Coravinなら普通のワインボトルで対応できますし、30日どころではなく数年単位でワインがもちます。

タッチスクリーンにワインの情報が表示されるのも、ラベルが貼ってあればそれを見るので十分だし、そこからワインが注文できなくてもなんら困ることはありません。

一方、金属製のカートリッジにワインが入っているので、どれくらい飲んだのかわかりにくいという問題があります。残量を表示する機能はありますが、正確ではなくあくまで概算で出すだけです。何よりも専用のカートリッジを買わないといけないというのが面倒です。

さらに、タッチスクリーンは結構な電池を消費するので、コンスタントに充電しないといけません。それも6時間くらいしか持たないというのですから、ほとんどずっと充電してつかうようなことになります。

メリットに比べてデメリットの方がかなり多いので、どうしてこれほど出資があるのか不思議な感じがします。