ソノマのピノ・ノワールで人気のシドゥーリが今年、ヒールズバーグにテイスティングルームを開きました(Siduri Wines takes the leap with a new Healdsburg tasting room | The Press Democrat)。

2015年にケンダル・ジャクソンなどを、擁するジャクソン・ファミリーにワイナリーを売却したシドゥーリ。以来、創業夫妻の夫アダム・リーはワイン造りに専念、妻のダイアナ・リーは基本的にはワイナリーから手を引いて家事育児に専念するという形で、生活面でのメリットが出ていますが、今回はさらにセールス面の向上を目指したものと、言えます。これまではサンタローザのワイナリーの片隅をテイスティングバーとしていたのと比べると、テイスティングルームがひしめき合うヒールズバーグへの進出は大きな一歩です。

小規模のワイナリーにとっては販売の6割を消費者への直接販売が占めるという数字もあり、テイスティングルームは消費者と接する最前線になるからです。ただ、ヒールズバーグのようなテイスティングルームが密集した形がいいのかどうかについては賛否が分かれるところでもあります。

サンタバーバラのロスオリボスやロンパックなど、確かに週末になると観光客でごった返すわけですが、地元の住民との軋轢は、常に問題になるところです。また、本当にセールスにつながるかどうかについても意見が分かれます。実際、シドゥーリの場合でも売り上げの面ではまだ、サンタローザの方が上回っているそうです。やはり、そこをわさわわざ探して訪れてくれるお客さんなわけですから、ロイヤリティには大きな違いがあることが容易に想像できます。また、おそらくテイスティングルームのスタッフが対応するのと、ワインメーカーのアダム・リーが直々に対応すろことの違いもあるのではないかと思います。

ともあれ、売却後、生産量が2万5000ケースから4万ケースに増えたシドゥーリにとって、販路拡大は重要なこと。新しいテイスティングルームがうまくいくことを期待します。