ブロガーのW.ブレイク・グレイ氏がWine-Searcherにナパはカベルネが多過ぎるのか、という記事を書いています(Does Napa Have too Much Cab?)。

興味深かったのがボルドーとの価格の比較。Wine-Searcherで検索の人気ワインを調べると、ボルドーのトップ10では450ドル以下のワインは1つ(ランシュ・バージュ)だけ。ナパでは6本が200ドル以上なので、ボルドーのほうが大分高価です。これだけ見ると、ナパのワインが高いとは言えないような気がします。

ところが、トップ101~110で見ると話は大きく変わります。ナパではこの順位でも10本中4本は200ドル超。一方ボルドーでは10本中8本が100ドル未満。60ドル未満も4本あります。つまり、ボルドーは検索人気順位が下がるにつれ、価格もどんどん下がりますが、ナパのワインは人気順位が下がっても価格はさほど変わらないのです。

マスターソムリエで、サンフランシスコのフェリープラザ・ワイン・マーチャントの共同経営者であるピーター・グラノフは、「ナパのワインはランボルギーニの分野にマーケティングを集中している」と語っています。

店舗では、棚のスペースには限界があり、50ドル以上のワインに割ける領域は限られたものになります。その領域にばかりつぎ込むのは戦略としてどうか、というところです。

Ferry Building Wine Merchant


元記事は、多様な品種を保持する話と、価格の話が混在しており、ちょっとわかりにくいところがありますが、個人的には品種の多様性よりも、価格の多様性の方が気になるところです。土地の価格が高くブドウの価格も高くなるため、ワインも高くしたいという気持ちはわかりますが、あまりにも高級ワインに偏りすぎな傾向は否めません。

だからこそ、ナパハイランズなどのようにそこそこの価格で美味しいワインを見つけると嬉しくなるのですけどね。