ダックホーン/パラダックス・セミナー 赤ブレンド老舗の気概
ダックホーン(Duckhorn)といえば、ナパのメルローで有名なワイナリーであり、印象的なアヒル(Duck)のラベルでも知られています。また、現在ダックホーン以外に5つあるグループのワイナリーはいずれもカモ科の鳥と関連する言葉をモチーフにしているのも特徴的です。ラベルにもカモ科の鳥があしらわれ、一目でダックホーン関連のワインだとわかります。なお、ダックホーンというのは創設者の名字です。
今回はダックホーン・グループの海外輸出ディレクターであるブライアン・ボストウィック氏および、ナパで赤のブレンドを中心に作っているパラダックス(Paraduxx)のワインメーカーであるドン・ラボード氏が来日し、セミナーを開催しました。
ダックホーンはパリ・テイスティングと同じ年、1976年にオープンしました。ナパでは40番目のワイナリーでした。そのときに存在したワイナリーで、現在はなくなってしまったところもありますが、ダックホーンは「スリー・パームスの畑のおかげで今まで続けられたと言っても過言ではない」とのことでした。ダックホーンといえば誰もがイメージするのはメルローであり、その最高の畑がスリー・パームスです。
現在は、ダックホーンのほか、赤のブレンドワインをナパで作るパラダックス、アンダーソン・ヴァレーでピノ・ノワールなどを作るゴールデンアイ(Goldeneye)、ソノマをベースに、比較的普及価格帯のワインを作るデコイ(Decoy)、ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーでピノ・ノワールなどを作るマイグレーション(Migration)、ワシントン州でワインを作るキャンバスバッグ(Canvasback)があります。これらブレンドごとに別々のワインメーカーがいるのも特徴です。
今回のメインのパラダックスはイタリアのティニャネッロ(サンジョベーゼ中心のブレンド)やスペインのベガ・シシリア(テンプラニーリョ中心のブレンド)といった、地域の品種に世界的品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドしたワインを作るワイナリーをモチーフとして1994年に作られました。
地域の品種として選ばれたのはもちろんジンファンデル。当初はジンファンデル60%というブレンドでした。オシドリと切手のイメージのラベルも好印象でした。このような赤ブレンドだけを作るワイナリーはナパで初めてだったとか。
2004年にワイナリーの建築を始め、現在では14種類のワインを作っています。ただ、メインのブレンドのほかはワイナリーでしか販売していません。
2012年からはブレンドの比率を大きく変え、カベルネ・ソーヴィニヨンを中心にジンファンデルをブレンドする形になりました。
理由は2つあります。まずはブドウの調達の問題。
パラダックスは50エーカーのカベルネ・ソーヴィニヨンの畑と6エーカーのジンファンデルの畑を持っています。ナパ全体でもジンファンデルは減っており、今では全体の5%くらいしかありません。したがっていいジンファンデルを調達するのがだんだん難しくなってきました。
もう1つはマーケティング的な問題。
レストランにおいて、ジンファンデルの位置付けは、ワインリストで低かったり、全くなかったりします。カベルネ・ソーヴィニヨンのところにリストされる方が客の目にもとまりやすくなります。
また、作るワインの種類が増えて切手のラベルではまかないきれなくなったため、現在は2羽の鳥をあしらったラベルに変わっています。
ラベルは、前のものが素敵だったので、大分残念ですが、あれで毎年10種類以上作るのが大変すぎるというのもわかります。でもやっぱりメインのブランドだけは元のラベル残して欲しかったなあ。
ラベルの話はともかく、ブレンド比率を変えた効果は既に上がっていて、Wine&Spirits誌のレストラン人気ワイン投票にもランクインするようになってきたとのこと。また、ドンさんが初めてワインメーカーとして作った2014年は評論家のジェームズ・サックリングから93点という高評価を得ています。
試飲は後編でお届けします。
今回はダックホーン・グループの海外輸出ディレクターであるブライアン・ボストウィック氏および、ナパで赤のブレンドを中心に作っているパラダックス(Paraduxx)のワインメーカーであるドン・ラボード氏が来日し、セミナーを開催しました。
ダックホーンはパリ・テイスティングと同じ年、1976年にオープンしました。ナパでは40番目のワイナリーでした。そのときに存在したワイナリーで、現在はなくなってしまったところもありますが、ダックホーンは「スリー・パームスの畑のおかげで今まで続けられたと言っても過言ではない」とのことでした。ダックホーンといえば誰もがイメージするのはメルローであり、その最高の畑がスリー・パームスです。
現在は、ダックホーンのほか、赤のブレンドワインをナパで作るパラダックス、アンダーソン・ヴァレーでピノ・ノワールなどを作るゴールデンアイ(Goldeneye)、ソノマをベースに、比較的普及価格帯のワインを作るデコイ(Decoy)、ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーでピノ・ノワールなどを作るマイグレーション(Migration)、ワシントン州でワインを作るキャンバスバッグ(Canvasback)があります。これらブレンドごとに別々のワインメーカーがいるのも特徴です。
今回のメインのパラダックスはイタリアのティニャネッロ(サンジョベーゼ中心のブレンド)やスペインのベガ・シシリア(テンプラニーリョ中心のブレンド)といった、地域の品種に世界的品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドしたワインを作るワイナリーをモチーフとして1994年に作られました。
地域の品種として選ばれたのはもちろんジンファンデル。当初はジンファンデル60%というブレンドでした。オシドリと切手のイメージのラベルも好印象でした。このような赤ブレンドだけを作るワイナリーはナパで初めてだったとか。
2004年にワイナリーの建築を始め、現在では14種類のワインを作っています。ただ、メインのブレンドのほかはワイナリーでしか販売していません。
2012年からはブレンドの比率を大きく変え、カベルネ・ソーヴィニヨンを中心にジンファンデルをブレンドする形になりました。
理由は2つあります。まずはブドウの調達の問題。
パラダックスは50エーカーのカベルネ・ソーヴィニヨンの畑と6エーカーのジンファンデルの畑を持っています。ナパ全体でもジンファンデルは減っており、今では全体の5%くらいしかありません。したがっていいジンファンデルを調達するのがだんだん難しくなってきました。
もう1つはマーケティング的な問題。
レストランにおいて、ジンファンデルの位置付けは、ワインリストで低かったり、全くなかったりします。カベルネ・ソーヴィニヨンのところにリストされる方が客の目にもとまりやすくなります。
また、作るワインの種類が増えて切手のラベルではまかないきれなくなったため、現在は2羽の鳥をあしらったラベルに変わっています。
ラベルは、前のものが素敵だったので、大分残念ですが、あれで毎年10種類以上作るのが大変すぎるというのもわかります。でもやっぱりメインのブランドだけは元のラベル残して欲しかったなあ。
ラベルの話はともかく、ブレンド比率を変えた効果は既に上がっていて、Wine&Spirits誌のレストラン人気ワイン投票にもランクインするようになってきたとのこと。また、ドンさんが初めてワインメーカーとして作った2014年は評論家のジェームズ・サックリングから93点という高評価を得ています。
試飲は後編でお届けします。