ドミナスの2013年が入荷してきていますね。日本にもそこそこの本数が入ってきていると思われるので、入荷直後はさまざまなショップで見かけますが、年末くらいになるとほとんどなくなりますから、いつでも買えると思っていると逃してしまいがちなワインです。

2013年はWine Advocate誌で2010年に続く2回目の満点。パーカーは「クリスチャン・ムエックスが作ったワインの中で、フランスも含めて一番深みのあるワインかもしれない」と書いています。

このヴィンテージはここ10年間くらいをみても、ナパではおそらく最高のヴィンテージといっていいでしょう。高評価のワインは非常に多いですが、中でもこのワインはパーカーだけでなく、ヴィナスのアントニオ・ガッローニも満点を付けていますし、ジェームス・サックリングも満点を付けています。ラベルもワイナリーの30周年で、久しぶりにクリスチャン・ムエックスの顔が復活しています。

さすがに2013年は4万円台とかなりの高価格ですが、パーカーもガッローニも満点ということを考えたら、むしろ安い方かもしれません。

なお、パーカーが「ドミナスで最強のバックツーバックのヴィンテージ」と称した2012、2013年の2012年の方だと2万円台。こちらの98+というのも十分すぎるくらい高い評価です。

話はちょっとずれますが、ちょうどWine Spectatorに、ムエックスが昨年初リリースして話題になったワイン「ユリシーズ(Ulysses)」の話が出ています(Christian Moueix's Newest Napa Winery Ulysses | Stirring the Lees with James Molesworth | Blogs | Wine Spectator)。僕も知らなかったのですが、ここの畑、ムエックスがスワンソン(Swanson)から買い取ったところで、スワンソンが得意とするメルローが植わっていたのを、カベルネ・ソーヴィニヨン中心に植え替えたそうです。2011年まではまだ若すぎるということで、ブドウは売却し、2012年からワインを作り始めました。ワイン作りはドミナスとほとんど同じ方法を取っていますが、味わいはだいぶ違うとのこと。ドミナスはダーク・チョコレートの風味が強いといわれますが、ユリシーズはもっと明るくヴィヴィッドな味わいだそうです。

ただ、まだ樹の若さは否めないところで、本領を発揮してくるのは2015ヴィンテージくらいからになりそうです。




2012年も少し再入荷したようです。



ユリシーズのデビュー・ヴィンテージ。味を重視するなら、ドミナス2012買う方がいいと思いますが、最初のヴィンテージの希少性も捨てがたいものがあります。