2017年9月25~26日にナパで「Wine Industry Financial Symposium」というセミナーが開かれました(Why You Want to Pay More for Wine | Wine News & Features)。文字通り、ビジネス面からワイナリーの状況を議論するというセミナーです。

リンク先はそのまとめ記事ですが、そこからいくつか興味深いトピックスを紹介します。

まず、セミナーに先立って行われた調査によると米国のワイナリーの3分の2は来年ワインを値上げする予定であること。その最大の理由は「プレミアム化」。値上げすることによって、自社のワインがよりプレミアムになったことを誇示するのが目的になっているようです。

ケンダル・ジャクソンは1本11ドル以上のシャルドネの人気トップ10リストを挙げましたが、2013年と2017年を比べると、いくつかブランドの入れ替わりがあるものの、平均価格は4ドル上昇しているそうです。11ドル以上のワインで4ドルというと、最大2割くらいの上昇ですから、かなりの値上がりです。

消費の底上げをしているのが、いわゆるミレニアル世代。先月20ドル以上のワインを買った人の比率が17%と、他の世代よりも高いという結果が出ています。

ただ、懸念されることの1つはこの世代は食事の宅配をよく使うこと。宅配にワインがあることは少なく、アルコール飲料をまったく提供しない宅配も多いとのこと。宅配にはボトルワインよりも、グラスに蓋をしたような形態の方が合っているという議論もされたそうです。