セントラル・コーストのグルナッシュについての記事がWine Enthusiastに載っていました(How California’s Central Coast Winemakers are Making Grenache Their Own)。ブレンド用のブドウとみなされてきたグルナッシュですが、最近ではグルナッシュをメインの品種とするワイナリーも増えてきました。品質も向上し、高品質なピノ・ノワールに匹敵するレベルのワインが、その半額で手に入るようになってきました。

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グルナッシュの先人は、ボニードゥーン(Bonny Doon)のランドール・グラーム。1980年代に人気ワイン「シガール・ヴォラン」に使い始め、その後「クロ・ドゥ・ギルロイ」ではグルナッシュをメインに使っています。

しかし、後に続くワイナリーはあまりなく、いても品質は今ひとつでした。

1990年代にタブラス・クリークができ、フランスのボーカステルからクローンを輸入して植えました。この高品質なクローンが、グルナッシュの品質向上に大きく貢献しています。

グルナッシュは非常に成長しやすく、実もたくさんつけやすいブドウです。カリフォルニアではほうっておくと、一房がバスケットボール大にまでなってしまい、ブドウの実もプラムのように大きくなってしまいます。そうなると、ワインのフレーバーは味気なくなってしまいます。難しいブドウと言われるピノ・ノワールよりも、おいしいグルナッシュを作るのは難しいようです。しかし、しっかりと熟成させたグルナッシュは、酸もしっかり残り、レッド・フルーツのフレーバーやローズ・ペタル、コーラのようなスパイスの風味が出てきます。

現在ではKaena、Casa Dumetz、A Tribute to Graceといったワイナリーがグルナッシュをメインに作っています。ビリキーノなどもデリケートで高品質なグルナッシュを作っています。

また、ライトでデリケートなグルナッシュだけでなく、インクのような濃いグルナッシュを作るワイナリーもいくつかあります。この記事では登場していませんが、シン・クア・ノンはグルナッシュでも非常に高く評価されていますね。

個人的にはまだまだグルナッシュについては経験不足であまり語れませんが、おいしいグルナッシュが増えてきているのは実感しています。もっと多くのグルナッシュが日本にも入ってくるといいですね。