先日、米国のワイン輸出の2018年分の統計が発表されました。ワイン輸出の90%以上はカリフォルニアワインなので、実質的にはカリフォルニアワインの統計といってもいいでしょう。

日本はEU、カナダ、香港についで4番めの輸出先で、この順位はここ数年変わっていません。2018年の日本への輸出額は前年から微減の9304万9851ドルとなりました。中国への輸出は24.66%減と、貿易摩擦の影響を大きく受けましたが、香港への輸出が10%近く増えており、中国への輸出減の半分ほどをカバーしています。おそらく香港経由で中国本土に入っているワインも少なからずあるのではないかと思います。

グラフにはアジアの主要輸出先4カ所を示しました。
輸出額
トータルの輸出額は4.8%減少しています。減少は2年連続。中国との貿易摩擦などがある中では、減少を最低限に抑えた格好です。なお、注目の輸出先としてナイジェリアへの輸出が急増しています。2018年は1513万ドルと前年の約2.5倍になっています。

一方で輸出量は全体で1.2%の減少ですが、日本への輸出量を見ると22%も減少しており、1233万2002リットルとなっています。
輸出量

750ミリリットルあたりの輸出額を計算すると下のグラフのようになります。
750mlあたりの価格

日本に輸入されるカリフォルニアワインは従来からバルクで輸出する安いワイン(代表的なものではフランジアなどがあります)が中心となっていましたが、チリとの貿易協定に加え、EUとの貿易協定、TPPと多くの国との貿易で関税が大幅に引き下げられるかゼロになるかになり、対米は取り残された格好。安ワインの減少はその打撃をくらったのでしょう。

とはいえ、周辺の国と比べるとまだ価格的に追いついたところなので、この傾向はこれからさらに進むのではないかと思います。