布袋ワインズの試飲会から美味しかったワインを紹介します。今回は特に新作で面白いものが充実していました。


今回はロシアン・リバー・ヴァレーのコーナーがあったのですが、レイミー(Ramey)の単一畑(リッチーRitchieとロキオリRochioli)は傑出していました(価格も高いですが)。特にロキオリは果実味の豊かさが印象的。エレガントなワインも美味しいですが、いかにもカリフォルニアらしいよさがあるワインです。


こちらはロキオリ(Rochioli)によるエステートのピノ・ノワール2017(10700円)。こちらもロシアン・リバー・ヴァレーらしいふくよかさに複雑味もあり、さすがロキオリというできです。


メドロック・エームズ(Medrock Ames)のワインメーカーを務めるクリストファー・クリステンセンの個人ブランドがボドキン(Bodkin)。ソーヴィニヨン・ブランにこだわりを持つワイナリーですが、このマスカット・カネリ アントゥ・ザ・ブリーチ2016(3400円)も面白い。甘口に作られることが多い品種ですが、ドライに仕上げていて美味しくきれいな味わい。価格も高くないし、すごくいいです。


コングスガードのジェネラル・マネージャーによる個人ブランドがファーディナンド(Ferdinand)。シンプルでデザイン性の高いラベルも好きなのですが、このアルバリーニョ2016(3900円)も果実味がきれいでクリーンな味わい。見た目と違って?爽やか系です。もっと知られていいワインだと思います。


ブランダー(Brader)のソーヴィニヨン・ブランはコスパが高い印象がありましたが、このオー・ナチュレル2017(5200円)はリッチな味わい。樽は使っていないのに複雑な味わいがあり、ブドウの品質の高さを感じられます。



今回の目玉の一つがこれではないかと思います。平林園枝さんが作るシックス・クローヴズ(Six Cloves)の2ヴィンテージ目。
前ヴィンテージの記事はこちら「リトライなどで修行した日本人の造るワインデビュー作
特にシャルドネは今回スティーブ・マサイアソン(Steve Mattiason)のリンダ・ヴィスタ(Linda Vista)の畑(5800円)。平林さんはマサイアソンの元で働いていたこともあり、その縁でブドウを分けてもらえたそう。エレガントでミネラル感がありとても美味しいです。2018年のヴィンテージですから、もう半年くらい置いておくともっとよくなってきそう。ピノ・ノワールはこのヴィンテージ(2018年、6500円)からでソノマ・コーストのブドウ。こちらもかなりエレガント系。アジア系のスパイスや紅茶の香りがいいです。


これも今回の目玉になりそうなワイン。ヘッドハイというのはサーフィン用語で頭の高さくらいの波のこと。キスラーなどのオーナーであるビル・プライスのワイナリーで、彼が所有するギャップス・クラウン(Gap's Crown)やデュレル(Durell)、デオドラ(Deodora)の畑のブレンド。この畑で3600円は安いです。というかワイナリー価格35ドルよりも安いくらいで、これはむちゃくちゃコスパいいです。味わいも酸がきれいで美味しい。


ヘッドハイでは今回缶入りワインも登場です。こちらは250mlで900円。750mlに換算すると2700円です。上記のボトルのものとは中身も別で産地表記はカリフォルニアになっています。缶入りワインを飲むシチュエーションに合わせたのか、気楽に飲めるワイン。ちゃんとピノ・ノワールらしい味わいになっていて2700円のボトルのピノ・ノワールと比べてもほとんど遜色ないでしょう。これもワイナリー価格は4本で28ドル(1本あたり7ドル)なので、かなり格安です。


こちらも新入荷のワインでトレフェッセン(Trefethen)の中では安価なラインのダブルティーレッドワイン2016(4900円)。カベルネ・ソーヴィニヨンが55%でプティ・ヴェルドが23%も入っているのが特徴。この価格帯のボルドーブレンドとしてはボディがしっかりしているのはプティ・ヴェルドのおかげでしょう。


コスパのいいピノ・ノワールで知られるキャッスル・ロック(Castle Rock)のプティ・シラー(2300円)。これもこの価格帯としては異例なほどのパワフルさ。ガツンと来るワインを手軽に飲みたい人にいいと思います。


ラジエ・メレディス(Lagier Meredith)のシラー2014(8400円)。UCデーヴィスでブドウのDNA研究を長年してきた(ジンファンデルがクロアチア由来であることを突き止めたことでも知られています)キャロル・メレディスによるワイナリーです。うまみときれいな酸があっていいシラーです。