「ワインセラー パリ16区」が独占販売しているセンシーズ(Senses)のシャルドネとピノ・ノワールを検証させていただきました。せっかくなのでカリフォルニアワイン好きな方々とご一緒し、センシーズのワインメーカーであるトーマス・リヴァース・ブラウンのプライベート・ブランド「リヴァース・マリー(Rivers-Marie)」と合わせてみました。



最初のシャルドネはセンシーズのチャールズ・ハインツ(Charles Heintz)シャルドネ2017です。パイナップルやマンゴーなどのトロピカル・フルーツのリッチさとレモン、オレンジなど柑橘系の冷涼感を併せ持ったワイン。非常にきれいで美味しいシャルドネです。

シャルドネのあと2本はリヴァース・マリーで、2012年のソノマ・コーストと2010年のシエリオ(Thieriot、今までティエリオットだと思ってましたが、シエリオが実際の発音に近いそうです)。シエリオはセンシーズの共同オーナーの一人であるクリス(この人は俳優もやっています)の実家の畑で、センシーズでもシエリオのワインを作っています。

2012年のソノマ・コーストは少し熟成が始まってきた感じ。オレンジやパイナップルに、ナッティな風味が少し加わり、非常にいいです。AVAものでこのレベルはすごい。

2010年のシエリオは、さらに熟成が進み、黄金色になってきています。果実味よりもバニラやブリオッシュの風味やマーマレード、ナツメグの味わいが目立ってきています。重層的な味わいで素晴らしい。バランス的にはこれくらいがピークかもしれません。熟成好きな方なら20年くらいまでいけるかもしれませんが。

ピノ・ノワールの3本はいずれもセンシーズ。2017年のソノマ・コーストとロシアン・リバー・ヴァレー、2016年のテラ・デ・プロミシオ(Terra de Promisio、約束の土地の意味)です。テラ・デ・プロミシオはペタルマ・ギャップ(Petaluma Gap)の畑。ペタルマの町外れでペタルマ・ギャップのほぼ中央にあります。ここは太平洋からサン・パブロ湾に向かって冷たい海風が吹き抜ける冷涼な地域。

AVAものでヴィンテージも同じソノマ・コーストとロシアン・リバー・ヴァレーですが、味わいは対照的。ソノマ・コーストは酸が豊かでラズベリーやチェリーなどの赤系の果実にバニラ、イチジク、ナツメグなどの風味。ミディアム・ボディでソノマ・コーストらしい冷涼感があります。一方、ロシアン・リバー・ヴァレーはフルボディとまではいかないまでも、ソノマ・コーストよりボリューム感のある味わい。果実味もダークチェリーなど、少し濃い感じのするものが中心になります。

単一畑のテラ・デ・プロミシオは素晴らしいでき。色は若干薄め。ラズベリー、ストロベリーなど赤系の果実味に、リコリスやナツメグ、土っぽい味わいなど複雑な風味が増します。

センシーズのワイン。単に美味しいだけでなく、ちゃんとそれぞれの畑や地域の個性が出た味わいに仕上がっています。また、リヴァース・マリーがこれだけきれいに熟成しているのだから、同じワインメーカーのセンシーズも熟成力に期待できると思います。

今回のレストランは神保町のガーブ・ピンティーノというイタリアン。それぞれの料理も美味しく、ワインごとにグラスを替えてサーブしてくれました。締めの「オマール海老のカレーライス」、美味しかった。これだけは量が1口から10口まで選べるのですが、一番多くしてよかった(笑)。満足です。