リッジ(Ridge)のブログに、フラッグシップのモンテベッロとエステート・カベルネ・ソーヴィニヨンの違いを説明した記事が載っていました(An Elegant Version of Monte Bello Made from Select Parcels - Ridge Vineyards)。

モンテベッロで使うワインの残りから作った「セカンドワイン」だと思われがちなエステートのカベルネですが、リッジはセカンドではなく2つの「ファースト」で、醸造開始から分けているのだとしています。エステートはエレガント版で、より早くから楽しめるのが特徴です。

かつては醸造したワインの中からいいものを選んでモンテベッロを作っていましたが、2002年に調べたところ、モンテベッロに使うブロックはほとんど毎年同じことが判明したため、最初から醸造も分けたのだそうです。

エステート用のブドウはモンテベッロよりも果汁の抽出などを穏やかにすることで、タンニンを少なく、より若いときから楽しめるようにしています。熟成感もより早くからでてくるようにしているとのこと。モンテベッロよりもメルローの比率を高めていることもアプローチのしやすさにつながっています。

メルローの区画の一部をカベルネ・ソーヴィニヨンに植え替えたことにより、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が上がり、2008年からはカベルネ・ソーヴィニヨンの品種名を入れることになりました。エステートの表記も同時に加わっています。

2009年に新しいプレスの機械を入れて、より優しい抽出ができるようになりました。

醸造したはワインはロットごとにブラインド・テイスティングして、一部のものは落とします。また、年によってはモンテベッロの一部をエステートに回したりその逆もあります。

実際、モンテベッロは本領を発揮するのが早くても10年を過ぎてからですから、それまでに飲むのであればエステートの方が美味しく飲める可能性が高いです。

モンテベッロの畑は低いところで標高400メートルくらい、高いところは800メートルを超えます。実際には尾根沿いに点在する畑をまとめたものになります。標高や土壌のバリエーションなどで、ワインに複雑味が出ます。カリフォルニアの宝の一つと言っていいでしょう。

2016年はエステートのカベルネの中でも素晴らしい年です。