カリフォルニアワイン協会によるフリーマンのアキコ・フリーマンさんが登場するZoomを使ったウェビナーが4月29日に開かれ600人以上が視聴するという人気でした。
ウェビナー

ホスト役はホーク・ワカワカの名前で知られるイレイン・チューカン・ブラウンさん。彼女の英語の質問を山本香奈さんが逐次通訳し、日本語で返答するアキコさんの発言を、カリフォルニアワイン協会の手島さんがリアルタイムでイレインにWhatsappを通じて伝えるという見事な連携。さらに日本語で視聴者から寄せられた質問は、カリフォルニアワイン協会の扇谷さんが英語にしてイレインに伝えていたようです。かなりの質問も寄せられ、視聴者の関心の高さが伺えました。

動画はそのうちにYouTubeで公開されると思いますが、いくつか面白かったことをピックアップします。

まずは申請中のウエスト・ソノマ・コーストAVAの話。フリーマンは本拠地のワイナリーと「グロリア」の畑はグリーン・ヴァレーにありますが、「ユウキ」の畑はウエスト・ソノマ・コーストに入っており、AVA発起メンバーの6ワイナリーの一つになっています。

このあたりはソノマ・コースト、ロシアン・リバー・ヴァレー、グリーン・ヴァレー、さらにはペタルマ・ギャップ、フォートロス・シービューとAVAがかなり入り組んだ形になっていていろいろややこしいですが、ウエスト・ソノマ・コーストはソノマ・コーストに含まれ、フォートロス・シービューを包含する形で提案されています。

初耳だったのですが、数年前に部分的にオーバーラップするAVAは、今後認められないということになったそうで、ウエスト・ソノマ・コーストはそれを守って提案されていますが、認められた後で、グリーン・ヴァレーもそのうち取り込みたいという希望はあるそうです。今は政府のプロセスもいろいろ止まってしまっていますが、もうAVA認定まではあと一歩というところのようです。

フリーマンのワインではユウキとグロリア、アキコズ・キュベの3つのワインをセミナー中で試飲していました。イレインは、共通性として旨味を挙げていました。サーモンの料理に合うとのことで、特にユウキは醤油や味噌のような旨味系の味付けとの相性が良さそうということでした。

ただ、アキコズ・キュベはかなりしっかりした味わいなので和牛のステーキやラムチョップ、チョコレートケーキにも合うとアキコさん。イレインは和牛の刺し身と合わせたいと言っていました。

フリーマンのワイン以外にはリトライ(Littorai)の「Pivot」とペイ(Peay)の「スキャロップ・シェルフ」の2つのピノ・ノワールを試飲。Pivotはグロリアからかなり近いところにある畑で、リトライのワインは熟成がとてもきれいに進むとアキコさん。イレインによると「リトライは抑制が効いているが、少し筋肉質でボリューム感もある。フリーマンの方がフィネスがある」とのことでした。

ペイはフリーマン同様女性ワインメーカーのワイナリー。スキャロップ・シェルフはフローラルな印象があって、一番女性的でアキコさんの好きなワインだとのこと。

リトライもペイもウエスト・ソノマ・コーストの発起メンバーで「重みを感じずに凝縮感があるのが5つの特徴。骨格と均整がある」とイレイン。こういうワインがソノマの海の近くで作られることを知ってほしいとアキコさん。

そして最後にアキコさんから「実は今スパークリングを作っている」という驚きの発言がありました。2019年のヴィンテージで早摘みしてベースワインを作っているところだそうです。ただ、スパークリングを作るワイナリーの多くが、専用のカスタム・クラッシュ(請負型のワイナリー)を使っているのに対し、フリーマンではすべて自身のワイナリーで行う予定で、ちゃんとできるかどうかはまだわからないそうです。これも楽しみですね。

とても中身が濃く、やはり日本語でわかりやすいため、視聴されていた方々も満足されたのではないでしょうか。

あと、希望としては、ワインがもっと早くわかって自分でも準備できたらよかったと思いました。またこういうセミナーがあるといいですね。

当日の動画はこちらから
Behind the Wines - Japan Special Edition【ビハインド・ザ・ワインズ ~ワインの裏側~ 】日本向け特別編 アキコ・フリーマン - YouTube