SFクロニクルのワイン・エディターであるエスター・モブリーが「バターのようなシャルドネ」を擁護する記事を書いています(In defense of buttery Chardonnay - SFChronicle.com)。SFクロニクルといえば、「New California Wine」を書いたジョン・ボネがいたように、どちらかというと先進的なワインを好む傾向が強いと思っていますがなぜ?

記事のきっかけは「バター・シャルドネ」で知られるジャム・セラーズがザ・ワイン・グループを訴えたこと。今回は「bold and jammy」という言葉をフランジアのパッケージに大きく入れたことが理由ですが、その前から「Rich & Buttery」という名前に付いても訴えていました。
Butter Chardonnay
バターのようなシャルドネというと1980年代にブームになり、その反動で「ABC(Anything But Chardonnay)」という言葉までが生まれるほど、反対派も生まれたタイプのワインです。一般的にカリフォルニアのシャルドネとしてイメージするのもそういうワインが多いでしょう。

近年では、むしろ樽でコテコテのシャルドネを探すほうが大変だったりもしますが、逆に一周回って「コテコテ好き」なマニアも生まれているようです。それに、やっぱり最高級のシャルドネで樽を使っていないことは考えられず、やりすぎでなく使えば高級感が生まれるのは間違いないところ。

また、一般のコンシューマーにとっては樽が効いたバターのようなシャルドネというのは、悪印象より好印象を与える傾向が強いのは、ジャム・セラーズがうまくいっていることでも想像できるでしょう。

記事ではおすすめの「バターのようなシャルドネ」も紹介されています。

Chalk Hill Chardonnay Sonoma Coast 2018
Smith-Madrone Chardonnay Napa Valley Spring Mountain District 2016
Beauregard Chardonnay Santa Cruz Mountains Beauregard Ranch 2018
Qupe Chardonnay “Y Block” Santa Barbara County 2018
Merry Edwards Chardonnay Russian River Valley Olivet Lane 2017
Chappellet Chardonnay Petaluma Gap Calesa Vineyard 2018

冒頭に挙げられたチョークヒルのシャルドネは僕も好きです。コスパも高い。そのあたりの価格帯ではウェンテのシャルドネもいいと思います。

あとは定番過ぎて挙げられなかったのだと思いますがロンバウアーのシャルドネはコテコテ好きには絶大な人気を誇っています。