サンタ・バーバラにアリソス・キャニオン(Alisos Canyon)という新しいAVAが8月25日、誕生しました(‘A New Niche to Taste and Explore’: Alisos Canyon is America’s Newest Appellation | Wine Enthusiast Magazine)。
アリソス・キャニオン
サンタ・バーバラは北にサンタ・マリア・ヴァレー、南にサンタ・イネズ・ヴァレーがあり、どちらも太平洋からの東西方向に伸びる谷によって冷たい風が吹き込む冷涼な地域となっています。

アリソス・キャニオンはこの二つに挟まれた非常に小さな地域ですが、ここも同様に太平洋からの風を通す「チャンネル」があり、冷涼です。ただ太平洋からの距離はそれなりにあるので、ピノ・ノワールよりはシラーやグルナッシュなどローヌ系品種に向く地域となっています。現在のところ5800エーカーのうち、240エーカーほどがブドウ畑になっています。
null
このようになだらかな丘が連なったような地形です。

また、ここは砂時計のようにさらさらした砂地の土壌が多くあります。こういった砂地の土壌はフィロキセラが住めないので、自根での栽培も可能になっています。

AVA設立に奔走したのがトンプソン・ヴィンヤーズ(Thompson Vineyards)のオーナーであるノア・ロウルズ。2014年に購入した後、ここの価値に気づいて、地元の有名人でサンタ・リタ・ヒルズなどのAVA認定に携わったウェス・ヘーガンなどを巻き込んで今回の認定にいたりました。

現状、それほど有名なワイナリーはありませんが、トンプソンのブドウはテンスレーなどいくつものワイナリーが購入しています。また、シネ・クア・ノン(Sine Qua Non)のマンフレッド・クランクルはトンプソンの畑の裏にある「ザ・サード・ツイン(The Third Twin)」という畑を2010年に購入。2014年からシラーを使っています。

明るいニュースの少ない昨今、久しぶりのいいニュースでした。