8月半ばから大きく広がったカリフォルニア各地の山火事、ナパではワイナリー自身が火事に立ち向かって火を防いだところもありました(Cowboys Fighting Fires in Napa County | Wine-Searcher News & Features)。これをハウエル・マウンテンのパイオニアであるランディ・ダンは「カウボーイ・ファイアーファイティング」と呼んでいます。

ワイナリーには畑の開墾などのためにブルドーザーなどの重機を持っているところがあり、それを使って防火帯を作るというのがその働き。例えば、ナパの北東部のポープ・ヴァレーでピーナ・ヴィンヤード・マネジメントの共同オーナーであるジョニー・ホワイトは自宅の危機にあたってまずプールの水で火を消し止め、その後ブルドーザーで防火帯を作って近隣の家も守りました。

同じようなことは今回の火事の火元に近かったプリチャード・ヒルでもハイ・デマンド・アース・ワークという畑の管理の会社が防火帯を作り、畑やワイナリーを守りました。

ハウエル・マウンテンではランディ・ダンの娘がFacebookを使ってブルドーザーを徴収。それで防火帯を作ったそうです。
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カリフォルニアの消防局ではこういった動きを、逆効果になることもあると推奨はしていませんが、今回の火事でワイナリーなどの被害が意外と少なかった背景にはこういったこともあったのでした。

ちなみに、日本の消防車を購入して一般市民に売っているサクラメントのアントレプレナーもいるそうです。日本の消防車(多分小型のもの)が米国よりも小回りが利くからだとのこと。こういったものは特に大麻の栽培者に興味を持たれているとのこと。現状、大麻栽培には保険が付けられないからだそうです。

落ち着きを取り戻しつつあるワイン・カントリーですが、この週末には次の熱波が予想されています。ソノマのサンタ・ローザあたりでも華氏100度(摂氏約38度)を超える予報になっています。これによって火がぶり返したり新たな火事が起こる恐れがあります。電力もまた切迫することが予想されます。