UCデーヴィスでワイン造りを学んだ平林園枝さんがカリフォルニアで作るワイン「シックス・クローヴズ」。3ヴィンテージ目の2019年は、前ヴィンテージに続いてのスティーブ・マサイアソンの畑「リンダ・ヴィスタ」のシャルドネに加えて、プリミティーボ(ジンファンデル)とレッド・ブレンドという構成。どれもきれいな酸が特徴のエレガントなワイン。一般的なカリフォルニアワインをイメージして飲むと驚くようなワインです。

シャルドネは柑橘系の風味に酸がきれいに伸びてくる印象のワイン。白い花の香り。たおやかでしなやかなワインです。濃厚系でないシャルドネを求めているなら、非常にオススメです。

プリミティーボは個人的にはこのヴィンテージのイチオシ。全房発酵というのはジンファンデルではかなり珍しいのではないでしょうか。ふくよかで赤系のピュアな果実味があり、酸がしっかりしているのと同時に、味に深みもありバランスもいいです。一般的なジンファンデルの味わいとは大きく異なりますが、非常にレベルの高いワイン。ピノ・ノワール好きな人に飲んでほしい。

レッド・ブレンドはカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローという、いわゆるボルドーブレンドの構成です。なんと畑はソノマとナパの南端に当たるロス・カーネロス(ソノマ側)にあります。海に近く冷涼なため、ブドウの糖度はあまり上がりません。糖度が22度とカリフォルニアにしては低い状態で収穫しています。冷涼感あふれる味わい。ブラインドで飲んだらカベルネ・ソーヴィニヨンが入っているとは思わないような気がします。むしろ上質なバローロに似ているような気がしました。

どれも園枝さんらしさがしっかりでたワイン。カリフォルニアワインの濃いイメージとは対極的ですが、和食にも合わせやすいですし、おせちにも合いそうです。