今をときめく人気ワインメーカー「マイケル・クルーズ(Michael Cruse)」。超入手困難なスパークリング・ワイン「ウルトラマリン(Ultramarine)」が大人気ですが、ニュー・カリフォルニア系の「クルーズ・ワイン」でも知られています。

そのクルーズ・ワインのエントリー的位置づけにあるのが「モンキー・ジャケット(Monkey Jacket)」。
モンキー・ジャケット
オレンジのアクセントが印象的なラベルのワインで、かつてはナパ・ガメイと呼ばれていたヴァルディギエ中心のブレンドとなっています。

でもなぜ「モンキー・ジャケット」なんでしょう?

モンキー・ジャケットとは、かつて水兵が着ていた腰までの長さのピッタリとしたジャケットのことです。
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マイケル・クルーズがワイナリーを立ち上げたときは、フルタイムの仕事をしながら2人の子どももいてとても大変だったそうです。コーヒーとパンク・ミュージックだけではもう眠気覚ましにはならなくて、彼はよく水兵の歌を聞きながら作業していました。

「バンクス・オブ・ニューファンドランド (Banks of Newfoundland)」という、2人の男が女と酒にお金が必要で自分たちのモンキー・ジャケットを質に出してしまい、捕鯨中の海上で低体温で死んでしまうという歌があって、当時はその曲をよく聞いていました。

そこで当時、ワイナリーを「モンキー・ジャケット」というニックネームで呼んでいました。

「最初は単に面白い響きだなと思って使っていただけだったのですが、時がたつにつれ、目の前の作業に対する集中力、出来栄え、そして熱心さを象徴する言葉のようになってきたんです。結局のところは、水兵たちに対する「気を引き締めろよ」という意味の曲ですからね」(マイケル・クルーズ)

2013年にクルーズ・ワインとしてワインを売り出したとき、チャールズ・ハインツのシラーとランチョ・チミレスのヴァルディギエだけしかありませんでした。

ところがこのヴァルディギエがその後ニューヨークでバカ売れしました。そこで価格を抑えつつ生産量を少し増やすために、ヴァルディギエ単体でなくブレンドとして売り出すことになりました。ワイナリーの主力商品になるということで、ニックネームだった「モンキー・ジャケット」を付けたのです。ラベルに帆船が描かれているのも上記の曲から来ています。

ワイナリーのニックネームを冠するほど思い入れのあるワイン。ヴァルディギエ主体でジューシーな味わい。思わずグラスが進んでしまうワインです。