ダックホーン
ナパのワイナリー、ダックホーン(Duckhorn)などを運営するダックホーン・ポートフォリオ(Duckhorn Portfolio)社が上場を申請中であることを2月23日、明らかにしました。上場先はニューヨーク・ストック・イクスチェンジ(NYSE)で、上場後のシンボルは「NAPA」を予定しています。
Duckhorn
ダックホーンは1976年にナパのセント・ヘレナにダックホーン夫妻が設立したワイナリー。ナパの最初の40のワイナリーに含まれているといいます。1978年から作り始めたスリー・パームス・ヴィンヤード(Three Palms Vineyard、現在はダックホーンが所有)のメルローがフラッグシップで、2017年にはワイン・スペクテーターのワイン・オブ・ザ・イヤーに輝いています。

名字に含まれるダックをもじったアヒル柄のラベルが特徴で、このほかにも鳥のラベルを使ったブランドとして低価格のデコイ(Decoy)やワシントンなどでワインを作るキャンバスバッグ(Canvasback)、アンダーソン・ヴァレーのゴールデンアイ(Goldeneye)、ソノマ・コーストなど冷涼地域のピノ・ノワールやシャルドネを作るマイグレーション(Migration)、カベルネ・ソーヴィニヨン系のブレンドを作るパラダックス(Paraduxx)、ワシントンのコロンビア・ヴァレーにあるグリーンウイング(Greenwing)といったワイナリーを保有しています。

このほか、買収で手に入れたワイナリーとしてセントラル・コーストのカレラ(Calera)、ソノマのコスタ・ブラウン(Kosta Browne)があります。

カリフォルニアのワイナリーには過去に上場していたところがいくつかありますが、いずれも他社に買収されてしまっています。シャローン(Chalone)はDiageoに買収され、フラッグシップのシャローンは現在はフォーリー(Foley)傘下にあります。レイヴェンズウッド(Ravenswood)はコンステレーション・ブランズに買収され、昨年ガロに売却されました。ロバート・モンダヴィはコンステレーション・ブランズの傘下に入りました。

ダックホーンのほかにはクロ・ペガス(Clos Pegase)などを保有するヴィンテージ・ワイン・エステート(Vintage Wine Estate)も上場を予定しています。

コロナ禍で産業構造が変わりつつある今だから、ということなのだと思いますが、今後どうこれらの会社が変わっていくのか気になるところです。