先日参加したオレゴン・ワシントンの試飲会で、オレゴンの白ワインといえばシャルドネが中心でした。冷涼な地域のためか酸がきりりと印象的なワインが多く、非常に高品質で価格も比較的抑えめに感じました。

とはいえ、オレゴンの資料を見るとオレゴンの白ワインといえばピノ・グリとなっています。実際10数年前まではオレゴンのワイン生産地の中心であるウィラメット・ヴァレーではシャルドネは減る一方でした。それが変わってきた様子をW.ブレイク・グレイ氏が書いています(Willamette Valley: The New Burgundy? | Wine-Searcher News & Features)。

シャルドネは極めて優等生なブドウ品種で、冷涼な地域から温暖な地域までさまざまな環境で生育し、その気候にあったワインになります。その柔軟性の高さや、自在に変化を遂げることから「ニュートラル」なブドウと言われていますが、オレゴンは涼しすぎてシャルドネには向かないと考えられていたのです。

それを打ち破ったのがウィラメット・ヴァレーの中でも冷涼な地域であるエオラ・アミティ・ヒルズに作られた「イヴニング・ランド(Evening Land)」でした。イヴニング・ランドにはブルゴーニュの名手コント・ラフォンが出資をし、シャルドネを育てていました。しかも普通よりも早く収穫をしたところ、非常に高品質のシャルドネが誕生しました。

その後コント・ラフォンはイヴニング・ランドから手を引き、現在はカリフォルニアのドメーヌ・ドゥ・ラ・コートなどで知られるラジャ・パーとサシ・ムーアマンが所有しています。また、これも当初出資していた著名ソムリエのラリー・ストーンも、現在はイヴニング・ランドから離れたものの、近くに「リンガ・フランカ(Lingua Franca)」というワイナリーを作っており、こちらも優秀なシャルドネを作っています。

イヴニング・ランドのレギュラーのシャルドネは5000円以下のシャルドネの中ではトップクラス間違いないレベルですし、フラッグシップの「ラ・スルス」も私がこれまで飲んだシャルドネの中でトップ10に入ってもおかしくない実力です。

オレゴンのシャルドネ、今後は注目も上がっていくでしょう。

柳屋です。


こちらも柳屋。


トスカニー


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