カリフォルニアワインの父とも言われる故ロバート・モンダヴィ。彼が作ったワイナリーとしてはロバート・モンダヴィ・ワイナリーに、シャトー・ムートン・ロートシルトと共同で持つオーパス・ワンがあることは有名です。この2つのワイナリーは財政難で手放してしまいましたが、その後、2人の息子がそれぞれマイケル・モンダヴィとコンティニュアムを造り、孫たちもそれぞれ様々なワイナリーやワイン・ブランドのプロジェクト(例えばワイ・バイ・ヨシキもその一つ)に携わっています。

詳しくは「【保存版】モンダヴィ・ファミリーの系譜」をご覧ください。

どのワイナリーも一級品のワインを作っており、オーパス・ワンは2013年のものがジェームズ・サックリングで100点と年間1位の称号を得ましたが、まだどこも到達していないのが「パーカー100点」(ワイン・アドヴォケイトで100点)のワイン。

これに今、一番近いと目されているのがロバート・モンダヴィの次男ティム・モンダヴィが作るコンティニュアムの2018年。既にサックリングは100点(年間6位)となっており、最新のワイン・アドヴォケイトのレビューでは98~100点と、100点含みの点数が付きました。数年後に再レビューで100点になる可能性もありそうです。ヴィナスでも2016年のものは100点を取っており、2018年も同等の点数が期待できそうです。

先日、ワイン・イン・スタイルの試飲会でこのワインを試飲しました。コンティニュアムはアカデミー・デュ・ヴァンの講座でもしばしば試飲アイテムとして使わせていただいていますが、2018年はこれまでのヴィンテージと比べてもエレガントな雰囲気があります。カベルネ・ソーヴィニヨンが54%、カベルネ・フランが31%と、例年に比べてもカベルネ・フランの比率が高いのがその理由ではないかと思います。フルボディではありますが、トーンが高く、軽さを感じます。非常に複雑で余韻ながく、やはり素晴らしいワインです。

この試飲会ではなんと、コンティニュアムの初ヴィンテージである2005年のワインも供されました。現在のコンティニュアムはプリチャード・ヒルにある自社畑「セージ・マウンテン」100%のワインとなっていますが、最初の数年はまだ畑がなかったのでモンダヴィのト・カロンのブドウを100%使っています(数年間使える契約になっていました)。2005年のコンティニュアムはまだ生き生きと若く、ト・カロンらしい緻密なタンニンとボディで、これはまた非常に魅力的なワインでした。

当時は、ト・カロンが使えなくなった後は品質が落ちていくのではないかと懸念していましたが、プリチャード・ヒルでクラウド・ビューというワイナリーが持っていた畑を買い取って自社畑にしたのは、今から見ればすばらしい英断でした。当時もシャペレーやブライアント・ファミリーによってプリチャード・ヒルへの注目は高まりつつありましたが、今ほど有名な地区ではありませんでした。この畑の買収に当たっては故ロバート・モンダヴィも畑を見に行き、OKを出したとされています。亡くなる1、2年前のことで、コンティニュアムがロバート・モンダヴィにとっても最後のワイナリーとなりました。

コンティニュアム2018はウメムラで税込み3万2560円。税抜きなら2万円台です。その品質を考えたらかなり格安で、現地価格とも遜色ありません。


今回の高評価で、今後は値上がりの懸念もあります。今が買い時かもしれません。