しあわせワイン俱楽部でハーシュ(Hirsch)のピノ・ノワール3本セットが出ています。

うち1本は2021年のラシェン・リッジ(Raschen Ridge)。ヴィナスで100点を取ったピノ・ノワールです。ヴィナスは元ワイン・アドヴォケイトのアントニオ・ガッローニが始めたレビューサイトで、レビューの信頼性は今一番高いのではないかと思います。ちなみにヴィナスで100点を取ったカリフォルニアのピノはわずかに4本。2018 Rivers-Marie Platt、2018 Occidental SWK、2021 DuMOL McIntyre、そして2021 Hirsch Raschenです。

残りの2本は同ヴィンテージのサン・アンドレアス・フォールト、リザーブ・エステートでそれぞれ94、97点という高得点が付いています。これで68090円(送料無料)というのは、品質を考えたらかなり安いと思います。

カリフォルニアのピノはナパのカベルネや、ブルゴーニュのピノなどと比べると値上がりもさほどひどくなく、これらの地域のワインなら100点ワイン1本で5万円以下というのはまずありえません。ちなみにヴィナスで2020ヴィンテージ以降のブルゴーニュのピノで99点以上を取っているのが4本くらいありますが、どれも50万円は下りません。

ハーシュはウエスト・ソノマ・コースト(フォートロス・シーヴュー)AVAにあるワイナリー。太平洋に近く非常に気温が低いところですが、高台で霧がめったにかからないので日照を強く浴びます。さらにハーシュの畑はサン・アンドレアス断層の上にあり、畑のブロックごとに土壌や傾斜などさまざまなパラメーターが変わる複雑なところです。

100点のラシェン・リッジはかなりタンニンがつよく力強いワインになるところで、リザーブは古木のブロックを使い長熟向き。サン・アンドレアス・フォールトは様々なブロックのブドウをブレンドしており、ハーシュでは「フラッグシップ」と言っていますが、一番高級というよりも、一番代表的なワインというのがよさそうです。

ワインメーカーは創設者の娘のジャスミン・ハーシュ。2019年からワインメーカーになってこれが3ヴィンテージ目。ウルトラマリンのワインメーカーであるマイケル・クルーズがパートナーで、ワイン造りのアドバイザーでもあり、このヴィンテージからは完全除梗にしたとのこと。ボディが強いハーシュのワインには完全除梗が向いていたのか、このヴィンテージは軒並み高い評価になっています。アントニオ・ガッローニは「2021 年はまさにハーシュにとって魔法のようなヴィンテージです。私が試飲したワインはどれも素晴らしく、お気に入りを選ぶのは何よりも個人的な好みの問題です」と述べています。