ワイン・スペクテーターの年間トップ10で4位に入ったのはナパのファウスト(Faust)のカベルネ・ソーヴィニヨン2021でした。実は、このワイナリー、ほとんど内容を知らず、今回の好成績から日本に輸入されていることも知ったくらいでした。

ワイナリーのオーナーはフネイアス・ヴィントナーズ(Huneeus)。チリのコンチャイトロなどのオーナー会社です。カリフォルニアではクインテッサ(Quintessa)、フラワーズ(Flowers)、リヴァイアサン(Liviathan)、ファヴィア(Favia)、オレゴンではベントン・レーン(Benton-Lane)を所有しています。なおファヴィアはアンディ・エリクソンと妻のアビー・ファヴィアによるワイナリーで、フネイアスはオーナーというより提携関係になっているようです。

ファウストは1998年にナパのクームズヴィルで設立されました。当時はまだAVA認定前でクームズヴィルでどのようなブドウが向いているのかも分かっていなかったようです。その中で冷涼地でありながらカベルネ・ソーヴィニヨンを選んだのがファウストでした。

ファウストは現在クームズヴィルにワイナリーと畑を所持しています。この畑のブドウだけを使ったフラッグシップの「ザ・パクト」カベルネ・ソーヴィニヨン。クームズヴィルの自社畑に加えてナパ各地の提携畑からのブドウをブレンドしている「ファウスト」カベルネ・ソーヴィニヨン。それからクームズヴィルのブドウにヨントヴィルとオークノールの提携畑のブドウをブレンドしたサルヴェーションの三つのワインアップを持っていません。

ワインスペクテーターのトップ100はワインの味だけでなく、入手しやすさや価格なども合わせて評価されます。65ドルという、価格が大きく評価されて上位入賞につながったのでしょう。
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クームズヴィルは、先日ポール・ホブズのカベルネ・ソーヴィニヨンが100点を取って、クームズヴィルのカベルネとしては初の100点になりました。温暖化が進む中で冷涼地域への関心は高まっており、個人的にも注目している地域です。

クームズヴィルのワインの入門的にもいいかもしれません。

タカムラワインハウスです。


トスカニーです。