ナパのケイマス(Caymus)がナパに隣接するソラノ(Solano)郡のサスーン・ヴァレー(Suisun Valley)に新しいワイナリーを建設、ケイマス・サスーン(Caymus-Suisun)として力を入れ始めています(Napa’s famous Caymus opens tasting room unexpected Bay Area location)。


テイスティング・ルームは全体がガラス張りで外にいるかのような感覚を得られます。この場所は非常に風が強くそれを感じさせる工夫でもあります。屋外でのテイスティングもできますが、風の強さでグラスが倒れるため、ステムレスのグラスを使っているほどです。

ケイマスがこの場所に滲出した大きな理由は、ナパではワインの製造量を増やせないこと。ケイマスはかつてそれに違反したとして100万ドルの罰金を払ったこともあります。そういうわけで最初はワインの製造やボトル詰めの拠点としてだけ考えており、実際に醸造はこの場所に移転しています。また、ナパではワイナリーにおけるイベントの制限が大きいことも、理由の一つでした。例えばナパのワイナリーでは結婚式は開けません。新しいワイナリーでは150人規模のイベントが可能だとのこと。
ケイマス
サスーン・ヴァレーAVAは、ナパの南東になります。ナパの南東端にあるワイルド・ホース・ヴァレーAVA(KenzoのあるAVAです)はソラノ郡にも入っていて、ソラノ郡のソラノ・カウンティ・グリーン・ヴァレーAVAとも共通部分があります。グリーンバレーの東側に接しているのがサスーン・ヴァレーです。

ケイマスは、実際に進出してからはワイン造りの面でも大きな可能性を見出しているようです。600エーカーの地所を購入し、プティ・シラー(ここではGrand Durifと呼んでいます。なおPetite Sirahの正式名称はDurifです)を造っています。SFクロニクルの記事によるとグルナッシュも素晴らしいものができそうだとのこと。

いろいろなものが高くなりすぎたナパから、田舎的雰囲気を残したソラノへの進出、ケイマスだけではないかもしれません。