ブログを始めてから,6月23日の慰霊の日の前後は沖縄戦について書くことが通例になっています。今年は特に教科書に集団自決の軍強制があったかどうかの記述に付いて,様々な議論が起こり,例年に増してきなくさい感じが強くなっています。

ここでは,その議論については取り上げませんが,集団自決うんぬん以前に,沖縄戦で何が起こったのか,住民が今なおその“呪縛”から逃れられないのはなぜなのか,ということをもっと知るべきだと思います。

そのために,ここでは本を一冊紹介します。「沖縄戦の絵―地上戦・命の記録」。沖縄戦の記憶を,多くの住民が絵に描き,それを集めたものです。発行は2006年6月。中には戦後60年以上,だれにも言ったことがなかった辛い経験を絵に描いた人もいます。

沖縄戦について現在残っている動画や写真はほとんどすべて米軍由来のもの。当然米軍視線であり,艦砲や機銃掃射の標的となった側からの視点はありません。絵はその点,より住民側に立ったものであり,「百聞は一見にしかず」を改めて思い知らされます。

あまりにショッキングで,子供の教育などに使うには難しいかもしれませんが,機会があったら手にとってみてください。