先日、雑誌Penの招待でサー・トーマス・リプトンの発表会と、リプトンの、世界に10人しかいないマスターブレンダーの一人である江間俊也さんによる紅茶のブレンドの体験会に参加しました。

リプトンというと、割と安価で購入できる黄色いティーバッグや、コンビニなどで売っている紅茶ドリンクのイメージしかなかったのですが、昨年からサー・トーマス・リプトンという名のシリーズとして高級茶葉も市販するようになったそうです。

そして、今回はパウダータイプでお湯に溶かして簡単に本格的な味わいが楽しめるロイヤルミルクティーのシリーズを発売したとのこと。

僕はここ数年はコーヒー派から紅茶派へ転向して、毎年20種類くらいのいろいろな紅茶を楽しんでいます。なので、この発表会もとても楽しみでした。

帝国ホテルで開かれた発表会は、エントランスから重厚かつ高級な雰囲気。
発表会エントランス

今から125年前、1890年にリプトンを作ったサー・トーマス・リプトンの写真もあります。
サー・トーマス・リプトン

発表会はまず、サンドアートに合わせてサー・トーマス・リプトンの生涯を紹介しました。サー・トーマス・リプトンは、自らスリランカやインドの産地に行って、自社茶園を作り、品質の高い茶葉を安定供給できるようにしたのが大きな功績だったようです。それによって、紅茶が一部の貴族のものから、だれでも飲めるものになっていったとか。


世界で10人しかいないというマスターブレンダーの江間さん。毎年試験があるそうなので、マスターブレンダーであり続けるためにはたゆまぬ努力が必要そうです。江間さんはそのためお酒も飲まないとのこと。
江間さん

発表会では、ダージリンの中でも一際高級なクオリティ・ダージリンと、アッサムティが試飲できました。クオリティ・ダージリンはさすがに香り高くおいしい。

発表会後は場所を移して、5種類の紅茶を試飲して自分でブレンドを作るという体験会です。
5種類の紅茶を味わう

まずはカップから自分のカップに大さじ1はいくらいの紅茶を移して試飲する体験。ワインのテイスティングと同じで、音を立てて空気と一緒に飲み込むことで香りを引き出すそうです。

紅茶は、サー・トーマス・リプトン・シリーズのクオリティ・ダージリン、普通のダージリン、アッサム、アールグレイ、オレンジペコーの5種です。

クオリティ・ダージリンは、マスカットのような特徴的な香りが顕著です(マスカテル香というそうです)。普通のダージリンはより、紅茶のコクが感じられるもの。

ミルクティなどに使われるアッサムはボディがしっかりした味わい。アールグレイはこの中では唯一香りを付けた紅茶で、柑橘系の香りが爽やかです。オレンジペコーは優等生的。突出した要素はありませんが、バランスよく飲みやすい紅茶です。

この中から2種類を選んでブレンドするのですが、これがなかなか難しい。クオリティ・ダージリンやアールグレイのような香りが高いものは、下手をすると味わいがぶつかって喧嘩してしまいます。

結局、クオリティ・ダージリンとオレンジペコーをブレンドしたのですが、味わい的にはブレンドで良さを引き出すというよりも、無難なおとなしい感じになってしまいました。

おみやげでは新製品のパウダーティもいただきました。これがあなどれないおいしさです。茶葉が細かく砕いて入っているとのことで、ミルクのコクと紅茶のコクがマッチしています。難点は、おいしくてすぐに飲み終わってしまうこと。普通紅茶入れたら30分くらいかけてゆっくり飲むのですが、これは5分くらいで飲み終わってしまうので、美味しいのに満足感が弱いという…
パウダー・ミルクティ

紅茶の世界は、香りの高さの楽しみ方など、ワインと親和性が高いように感じています。昼間の紅茶。夜のワイン。ワイン派の人は、いろいろな紅茶をためしてみると世界が広がりますよ。