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Date: 2007/0928 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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NapaのMt.VeederにあるワイナリChateau Potelleが202エーカー(約82ha)の土地をKendall-Jacksonで知られるJackson家に売却したと発表しました。オーナーのJean-Noel Fourmeaux氏がWine&Vines誌に語ったところによると,売却は不動産だけで,ブランド,ビジネス,在庫は含まないそうです。
"Chateau Potelle's 202-acre estate in Napa's Mount Veeder AVA has been purchased by Jess Jackson and his wife Barbara Banke for their Jackson Family Wines group."

Wines & Vines - News Headlines - Jackson Makes a Deal

Fourmeauxはさらに「Jackson家は長いことChateau Potelleの土地を欲しがっていた。できるだけ長くそれに抵抗していたが,断りきれないオファーを入れられ手放すことにした」と言っています。

Chateau Potelleが今後どうなるのか不明ですが,Formeaux夫妻はPaso RoblesにもGravity Hillsというワイナリを持っているので,ワインビジネスから手を引いてしまうことはなさそうです。
Date: 2007/0927 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ハチドリ(Hummingbird)のエチケットで知られるClos LaChanceワイナリは2006年5月から,絶滅危惧種救済のためのワインを作っていますが,このほど2万ドルを募金したという報告がありました。
"Clos LaChance Winery is pleased to announce that nearly $20,000 in proceeds from their first limited “Threatened Species” Hummingbird Series wine have been allocated to saving the Juan Fernández Firecrown hummingbird from extinction."

Clos LaChance Winery Raises $20,000 to Save Juan Fernandez Firecrown Hummingbird from Extinction

今回の募金はチリのロビンソン・クルーソー島にしかいないJuan Fernández Firecrownというハチドリを救おうというもの。このハチドリは雄と雌が全く違う色でとてもきれいです(写真はこちら)。

また,次のシリーズとしてはハチドリの中でも最も絶滅が近いと危惧されているHonduran Emeraldで,この秋から再びThreatened Speciesシリーズのワインとして販売されます。このハチドリもきれいです(写真はこちら)。

日本にはThreatened Speciesシリーズは入荷されていませんが,Hummingbirdシリーズがいくつか入っています。

Date: 2007/0927 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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9月17日に開催されたWine Industry Financial Symposiumから「Trading Up: The Sustainability of Luxury Brands」という話がWines & Vinesに出ていました。要は「高級好み」の消費者の心をいかにつかんで,ワインの値段をどれだけ上げられるか,というようなことです。
"One way to set your product apart from the competition is by establishing brand authenticity. Luxury consumers want to feel like the products they buy are made according to tradition, Amspacher said, using artisan methods. Often they are associated with a particular region."

Wines & Vines - News Headlines - Attracting 'New Luxury' Consumers

結論としては「ブランドの信憑性を高める」ことが大事だということです。値段を上げたときに,ほかの製品に移ってしまうかそうでないかというときに,そのブランドが「信憑性がある」ものであれば,ユーザーは付いてくるそうです。

この層の顧客というのは年収でいうと8万ドル~12万5000ドル,日本円で1000万~1500万円ですから,「富裕層」よりは下になります。この層は「ハイエンドの経験」を欲しており,価格ではなくブランドや「インターネットを通じた経験」でものを買うこと,また熱烈なワイン飲みになりやすいこと,などが挙げられています。ワインを買う前に「予習」をたくさんするため「Webサイトでイメージを高める」ことも必要だそうです。

確かに,日本のワイン好きの層というのも,こういった像に当てはまりやすいような気がします。Opus Oneなんてムートンにも裏付けられた「信憑性あるブランド」の代表みたいなものですしね。昨今のカレラ・ブームもこういう層が中心なのかもしれません。それ以前に,日本人のフランスワイン好きなのも

僕のようにひねくれた消費者からは「もっともらしいことを言って値段を上げているだけ」に見えなくもないのですが…

ちなみに昨日取り上げようかどうしようか迷って結局書かなかった記事に,高級ワインの値段はどうして上がり続けるのかという話があったのですが,そこでも消費者が「供給が少ない上級品」に集中するから,といったことが書いてありました。そのあたりが「ワインファンド」の成り立つ理由でもあり,ちょっと後味の悪さを感じます。
Date: 2007/0926 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectator誌がオンラインでビデオコンテストを開催しています。米国時間の9月28日まで毎日ビデオがポストされ,視聴者は5段階の投票ができるようになっています。

まずは最初の二つがポストされたところですが,ビデオのできは…。

百聞は一見にしかずですから,まずはご覧になってください。

サイトはこちら
Date: 2007/0925 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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いくつか溜め込んでいるピノ・ノワール関連の話をまとめて放出しておきます。

◎Caleraの復権
 日本でも今年5月にテレビ番組で取り上げられてからカレラ・ジェンセンを中心としたブームが起こり,急激に入手困難銘柄になってしまいましたが,これほど極端ではないにせよ,Caleraの存在感は明らかに上がっていると思います。ParkerのWine Advocateで2004 Selleckが96,Jensenが94という高評価を取っていますし,大西洋を渡ったイギリスのJancis Robinson(のWebサイト)では「Calera Pinots back on form」という記事が出ています(会員専用なので読めませんが)。PinotFileにも6ページにわたる特集が掲載されています(リンクはこちら,PDFなので注意)。

◎ピノブームは続く
 Calera復権の背景にピノブームがあることは間違いありません。上述のPinotFileの9月17日号は「Starter Kit for Pinot Newbies」がテーマ(PDFのリンクはこちら)。takuyaさんが既に取り上げていますが,ピノブームで新たにピノを飲み始める“新人”向け記事で,一般論としてのピノを飲むときの心得や覚えておくべき生産者などが書かれています。最初の心得の部分は,よくまとまっていると思います。ちなみにここでもCaleraは飲むべきワインとして取り上げられています。初心者向けの入手しやすく安いピノのリストもありますが,日本に入っているのはほとんどないのが残念なところ。
 ピノブームについてはPress Democrat紙のWebでもSiduriからのニューズレターとして取り上げています。生産者にとってもこのブームにどう乗って,自らをどう位置づけるかは重要な課題のようです。

◎マニアは深い話題に…
 パーカーの掲示板では相変わらずマニアックな話題が横行していますが,最近のものではCaleraの古いヴィンテージのテイスティングで畑間の差が少なかったことから,根の張り具合とテロワールといった深い議論が起こったのが目に付きました。この手の話題になると必ず登場するのがCargasacchi VineyardのPeter Cargasacchi氏です。彼が出てくると議論に深みが出ます。

Date: 2007/0913 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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まあ,いろんなことを考える人がいるもんだなと。
"A New York company is enthusiastically exploiting the links between wine and sex – starting with a tasting at an adult toy store."

Erotic wine evenings strike educational note - decanter.com - the route to all good wine
Date: 2007/0912 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Sonomaのダウンタウン近くにあり,カリフォルニア最古のワイナリとして知られているBuena Vistaが150周年記念のイベントを9月7日に開催しました。
"Buena Vista Winery turns 150 Oldest continuous operating winery in the state"

sonomanews.com

ご存知の方も多いと思いますが,Buena Vistaの創設者Agoston Haraszthyはハンガリーからの移民で野心に富んだユニークな人物だったそうです。California Agriculture Societyの会長になって,ブドウの苗木を大量に集めたりなど,突拍子もないことをいろいろ行い,最後は破産に陥ったとか。その後,ニカラグアで蒸留所を作り,ワニに食べられてしまったという伝説が残っています。

Buena Vista Wineryはその後も地道にワインを作り続け,最近は生産量を5万ケースほどに抑えて高品質なワインを作っています。

Date: 2007/0907 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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シドゥーリのアダム・リーが今年ピゾーニの畑の収穫で,ある実験をしており,その経過をParkerの掲示板で公開しています。アダム・リーはここ数年Pisoniのブドウの凝縮具合が期待レベルからやや落ちており,それが収量が増えたせいではないかと疑っているようです。そこで今年,畑の半分だけ収量を故意に落とすことによってどういう違いが出るかを調べようというのです。
"Wanted to mention briefly an experiment we have going on Pisoni fruit this year."

Mark Squires' Bulletin Board on eRobertParker.com - An Experiment
通常のセクションは1.17エーカーから2.685トン(2.29トン/エーカー)の収穫だったのに対し,余計に枝を刈ったセクションは1.17エーカーから2.116トン(1.81トン/エーカー)の収穫だったとか。

今後の経過は随時このスレッドでアップデートされていくようです。ピノおたくには注目のスレッドです。
Date: 2007/0905 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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スポーツ選手のセミヌード・カレンダーといったものはときどき登場しますが,ナパの農場主やワイナリ・オーナーのは多分初登場。「Napa Uncovered」というタイトルで収益はNapa County Farm Bureauに入ります。
"Napa winegrowers, ranchers and winery owners are taking a minimalist approach to preserving the county"

Wines & Vines - News Headlines - Napa Growers Exposed
登場するのはClos Du Valのヴィンヤード・マネジャであるAl Wagnerのほか
Jon-Mark Chappellet, Chappellet Winery; Eric Pooler, Hall Winery; Albert Rios, Rios Farming Co.; Michael Hanna, Hanna Winery; vineyard owner Bob Barbarick; Tom Carpenter, Grgich Hills; Michael Honig, Honig Winery; Cio Perez, NCFB district director; Kirk Grace, whose family owns Grace Family Vineyards; cattle rancher Dan McQueeney; Jason Lauritsen, Regusci Vineyard Management; and RJ Lauritsen, Clos du Val.
といった面々。さすがにそんな有名人はいませんが,元記事に載っているWagnerの写真はなかなか行けています。巷ではロシアのプーチン大統領がマッチョな写真を公開してゲイの間で大人気とのことですが,こちらもそういった方面の人気も出るかも(^^;)。

ちなみに,Wagnerはこのカレンダーの目的として資金集めのほか,ナパの堅苦しいイメージをやわらげたいという期待もしているようです。

価格は18ドル。限定のサイン付きバージョンは36ドル。注文はこちらから。
Date: 2007/0903 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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このところおめでたい話が続いております。といっても私事ではありません。カリフォルニアワインの話です。1つはIron Horseが「American Icon」に選ばれたこと。二つ目はRobert Mondaviが「California Hall of Fame」に選ばれたこと。三つ目は今月がめでたく3年目の「California Wine Month」になったことです。

Iron Horseはスパークリングで有名なソノマのワイナリ。ワイナリ自体の人気も高いし,スパークリングでは「定番」といってもいい「Wedding Cuvee」などいいものを作っています。American Iconとはランダムハウスが選んでいるもので,アメリカを象徴する製品だという意味合い。ホワイトハウスでの晩餐会に1985年から選ばれていることなどが評価されたようです。



「カリフォルニア名誉の殿堂」は2006年から始まったもの。こちらに一覧があります。昨年はウォルト・ディズニー,ロナルド・レーガンなど13名が,今年はロバート・モンダヴィほか,スティーブ・ジョブズ,タイガー・ウッズ,ジョン・ウェイン,エリザベス・テイラー,スタインベックなどが選出されています。新旧混じっており,選考基準が想像しにくいですが,Mondaviが選ばれたのは至極当然と言ってもいいでしょう。

さて,三つ目のカリフォルニア・ワイン月間はアーノルド・シュワルツェネッガー知事が2005年9月から始めているもので,今年で3回目。以前はプロモーションで知事が来日したりしていたのですが,今年はどうなんでしょう。公式サイトを見る限り,州として何をやるのかちょっと分かりにくい感じがします。まあ,何はともあれ,毎年続くのはめでたいこと。イベントの成功を祈ります。