シャルドネとピノ・ノワールの専業で、今後はマーカッサン(Marcassin 、マーカッシン)やキスラー(オキシデンタル)、ピーター・マイケルなどと並んで、ピノ・ノワールのビッグネームになる可能性があると思います。
2017年11月頭に発表されたWine Advocateの最新号では、編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンがウェイフェアラー単独の記事を書いています。
リサが今年一番感激した畑だというその畑は、フォートレス・シーヴューにあり、標高12007フィート、太平洋からも近い涼しいところ。マーカッサンの畑から道を上がって行ったところにあるそうです。実はこの場所を発見したのも当時はパルメイヤーのワインメーカーだったマーカッサンのヘレン・ターリー。畑作りはデイビッド・エイブリューが担当しています。
当初はパルメイヤーのワインとして作られましたが、2008年以降独立したブランドに。2012年に新しいワインメーカーを迎えて品質に磨きがかかっています。
例えば同誌の評価だと、2015年のウェイフェアラー、ヴィンヤードのピノ・ノワールが96点。同じくシャルドネは96+。
近隣だとマーカッサンをライバル視するシュレーダー傘下のボアズ・ヴュー(Boar's View)、マイケル・ブラウンのサーク(Cirq)なども注目ですね。エレガント系ではモンダヴィ系のレイン(Raen)などもあります。ピノ・ノワール・ファンにとっては見逃せない地域です。
2012年は94点。
ウェイフェアラー ヴィンヤード ピノノワール フォート ロス シーヴュー[2012] Wayfarer Vineyard PinotNoir Fort Ross Seaview[2012]△ |
2013年のトラベラーも94点,
■ウェイフェアラー ピノ ノワール マザー ロック[2013] 750ml WAYFARER Pinot Noir Mother Rock[2013]【出荷:7〜10日後】 |
2013年のマザーロックも94点。
■ウェイフェアラー ピノ ノワール マザー ロック[2013] 750ml WAYFARER Pinot Noir Mother Rock[2013]【出荷:7〜10日後】 |
トーマス・リヴァース・ブラウンについては、このあたりをご参考に。
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(前編)
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(後編)
今年のWine Spectator年間7位もトーマス・リヴァース・ブラウン作でした。
Wine Spectator年間7位はトーマス・リヴァース・ブラウン作
ウォリス・ファミリーはナパのダイアモンド・マウンテンのワイナリー。いわゆる山カベですね。かなりタニックな作りのようです。リトル・シスターはそこのセカンド的なワインですが、ヴィナスのアントニオ・ガッローニがWine Advocate時代に今回のワインをレビューしています。レイティングは89と決して高くないのですが、悪い評価をしたというよりも、試飲をした2012年の段階ではあまりにもタニックで閉じていて、「ほとんど評価不可能」だったとのこと。飲み頃は2016~2025年としていますから、もしかしたら今はすごくおいしくなってきているかもしれません。
いずれにしろ、トーマス・リヴァース・ブラウン作のカベルネで1万円切るのは滅多にないこと、というか初めて見るような気がします。
ウォリス・ファミリー カベルネ・ソーヴィニヨン "リトル・シスター" ダイヤモンドマウンテン(ナパ・ヴァレー) [2010] (正規品) Wallis Family Estate Little Sister |
ちなみに、トーマス・リヴァース・ブラウンのリヴァース・マリーのピノ・ノワールは1万円切るものもかなりあります。個人的にはかなりおすすめ。自社単一畑のスーマでも税別なら6000円台。
【よりどり6本以上送料無料】 リヴァース マリー ピノ ノワール スーマ ヴィンヤード 2012 750ml アメリカ カリフォルニア 赤ワイン |
ソノマ・コーストなら5000円台。これも相当おいしいです。
【よりどり6本以上送料無料】 リヴァース マリー ピノ ノワール ソノマ コースト 2013 750ml アメリカ カリフォルニア 赤ワイン |
レッド・カーは2000年にロスアンゼルスで設立。当初は趣味のワイン作りで、派手なラベルにワインも濃い味付けだったのが、ソノマ・コーストに畑を購入し、バランス重視派になっていきました。
今のレッド・カーのワインもおいしいのですが、昔のケレン味のあるワインも捨てがたい、というか、それはそれで良かったと思うんですよね。特にワインごとに違っていたラベルも統一してしまったので、なんだか普通のワイナリーみたい、と思ってしまうのです。
アントニオ・ガッローニはWine Advocate時代に、ファンシーな名前やラベルをやめるのは、今の真摯なワイン造りにあっていると書いていますが、そこは違うんじゃないかと。「そのセリフ、マンフレッド・クランクル(シネ・クア・ノンのオーナー)にも言えるのか?」と小一時間問い詰めたい所存です。
もう、市場に出回っているレッド・カーのワインはほとんどが新ラベルのものになっていますが、まだ「トロリー」シリーズなど少しは残っています。買うなら今のうち、のワインです。
レッド・カー トロリー シャルドネ [2012] Red Car Trolley Chardonnay [2012] |
レッド カー ワイナリー キュヴェ 22 シラー 2009 |
価格はWine-Searcher.comで調べても76ドル~(平均86ドル)するのが日本では5000~6000円台。ナパでエステートの単一畑ものでこの価格となると、もう比較の対象になるワインもないくらいです。ちなみにワイナリー価格は100ドルですから約半額。
あの「シャネル」が所有するワイナリーということで、ブランドとしても価値は十分。
ワインのタイプはビッグでフルボディーな、いかにもカベルネ・ソーヴィニヨンというタイプ。そういうタイプのワインを飲みたい人にはぜひ候補に入れて欲しいワインです。
サン・スペリー ダラーハイド ナパ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン 2013 750ml (ワイン) 【wineday】 【楽ギフ_包装】 【楽ギフ_のし】 |
サン スペリー ダラーハイド カベルネ ソーヴィニヨン 750ml [アメリカ/赤ワイン] |
セラー・セレクションというのはワインセラーに置いておきたい、熟成を楽しめる価値のあるワインのリスト。
ちなみに、これより上位にランクインしているカリフォルニアワインだと4位にスポッツウッドのカベルネ・ソーヴィニヨン2013、9位にシュラムスバーグのJシュラム・ロゼ2008、13位にジョセフ・フェルプスのインシグニア2014といったそうそうたるワインが入っています。50ドルという定価は、25位までの最安。日本でもほとんど同じ価格、というかむしろ安いくらいで買えるのがありがたいワインです。
以前からたびたび書いていますが、オー・ボン・クリマは今の日本ではすごく過小評価されていると思います。価格も安すぎるくらい。カリフォルニアのシャルドネやピノ・ノワール飲むなら買わないともったいないワイナリーです。
しあわせワイン倶楽部では、現在このワインのセール中(今回の情報もここのメルマガで知りました)。
オー・ボン・クリマ ピノノワール ”ノックス・アレキサンダー” サンタマリアヴァレー |
ミッション種というのは、スペインの宣教師がキリスト教の布教のために伝道所「ミッション」をカリフォルニアに次々と建てていったのですが(南はサンディエゴ、北はソノマまで21のミッションが作られ、それをつなぐ道が「エルカミノ・リアル」でした)、そこでワインを作るために植えられた品種が「ミッション」です。
いわば、カリフォルニアで一番古いワイン用ブドウの品種ともいえるわけですが、現在ではミッションはほとんど残っていません。このサマーズ・ヴィンヤードのブドウもいつ植えられたものだかはっきりしないのですが、最低でも60年は経っているものとみなされています。
ミッション種は赤ワインようのブドウですが、色がさほど濃くならないため、このワインではボージョレ・ヌーボーと同じマセラシオン・カルボニックで色を抽出しています。比較的淡い味わいで、一般的なカリフォルニアワインとは大きく異なりますが、カリフォルニアワインの歴史を感じられるワインとなっています。
で、タイトルに戻りますが、このミッション種はチリでも同様に布教とともに広がり(カリフォルニアより古く16世紀のことです)、「パイス」と呼ばれています。パイスは庶民用のワイン(酸化した味わいで決しておいしいものではないらしいです)を作るために使われたため、今でも広く作られていますが、近年ではより洗練されたワインを作るために使う生産者も増えています。
カリフォルニアワインのインポーターである布袋ワインズもそういった歴史に共鳴してパイスのワインを輸入しています。これも軽い味わいでおいしいワインです。Wine Advocate誌で92点。濃いワインに高い点を付けると言われている同誌ですが、こういったワインもちゃんと評価しているのはさすがだなあと思います。
このほか、色が濃くないことをいかしてロゼのスパークリングを作っている生産者もいます。エノテカが輸入しているミゲル・トーレス・チリのものは試飲したことがありますが、チャーミングで予想以上においしいスパークリングでした。
古くて新しいワイン、パッションとパイス。ある意味、「ネオクラシカル」などといわれる流行の最先端のワインです。
《ブロック・セラーズ》 ミッション “サマーズ・ヴィンヤード” ロダイ [2016] Broc Cellars Mission Somers Vineyard, Lodi 750ml [カリフォルニアワイン ロウダイ/ローダイ赤ワイン] |
■ヴィーニャ・マイティア アウパ ピペーニョ[2014](750ml)赤 Vina Maitia Aupa Pipeno [2014]【出荷:7〜10日後】 |
[NV] サンタ・ディグナ・エステラード・ブリュット・ロゼ / ミゲル・トーレス・チリ チリ マウレ・ヴァレー / 750ml / 発泡・ロゼ |
9位はパルメイヤーのシャルドネ2015。パルメイヤーのシャルドネというと映画「ディスクロージャー」を思い出してしまうのですが、この映画は1995年。もう20年以上前ですね。最近はあまり話題に上がらなくなってしまったパルメイヤーですが、実はいいワイン作っています。ただ、私としては、パルメイヤーがソノマ・コーストで作る「ウェイフェアラー」に結構気を取られていたので、パルメイヤー自身のワインはちょっと盲点になっていました(ちなみにウェイフェアラーのピノはおいしいですよ、要注目です)。
日本には今のところ前のヴィンテージまでしか入っていないようですね。
■パルメイヤー シャルドネ ナパヴァレー[2014] PAHLMEYER Chardonnay Napa Valley[2014]【出荷:7〜10日後】 |
コングスガードといえば、シラーなどもむちゃくちゃ美味しいですが、やっぱり白眉はシャルドネですね。2013年にWine Advocateで100点を取ったフラッグシップの「ザ・ジャッジ」は個人的にもカリフォルニアで最高のシャルドネだと思っている一品で本ヴィンテージも98-100という点数が付いています。ただし、今回は単体販売はなさそう。ナパ・シャルドネも96-98という高評価。
コングスガード・ナパ・ヴァレー・シャルドネ [2015]年 750ml【白ワイン】【辛口】 |
コングスガード シャルドネ(ハイド×ハドソン・ヴィンヤード) ナパ・ヴァレー [2015] (正規品) Kongsgaard |
ジャッジ入りは、今は12本のアソート(うち1本だけジャッジ)しかないようです。
コングスガード・ナパ・ヴァレー・シャルドネ[2015]年 750ml 11本&ジャッジ [2015]年 750ml 1本の12本セット【白ワイン】【辛口】 |
別ヴィンテージならジャッジ単体もあります。2009年は98+の評価。
【新入荷★特別価格】[2009] コングスガード シャルドネ ザ・ジャッジ |
2014年は98点。
【新入荷★特別価格】[2014] コングスガード シャルドネ ザ・ジャッジ |
前回はハーランなどがかなり安くなっていましたが、今回の目玉はオーパス・ワンの1980年代や1990年代のもの、それからダラ・ヴァレのフラッグシップ「マヤ」です。
オーパス・ワンは1984年が4万9800円、1985年が5万9800円など、税抜き価格ですが4万円台から5万円台で多くのヴィンテージが出ています。古いヴィンテージは保存状態などが気になるところですが、このショップはフランスの銘醸ワインのオールド・ヴィンテージものなども数多く扱っているので信頼はできるでしょう。キャップシールの腐食や、ラベル破損などについてはサイトに写真付きで載っています。全部で10ヴィンテージほど出ています。
オーパス・ワンのセール品一覧
マヤはWine Advocate誌で100点がついた2013年が7万9800円、98+点だった2010年が4万9800円、96点だった2008年が4万4800円(いずれも税抜き)など。マヤが税込みでも4万円台というのは、これまで見たことあるかどうか…1990年代末のカルトワインブームのときにサンフランシスコのワインショップで300ドル台で売っているのを見て、値段の高さにびっくりしたものですが、当時から日本では7万円くらいしましたから、高級ワインが全般に当時の2~3倍程度に値上がりしていることを考えると、相対的にはずいぶん安くなった感じがあります。スクリーミング・イーグルやハーラン、コルギンあたりに比べると話題に上ることは少なくなりましたが、おそらくそれはワイナリー側があえて積極的なマーケティングをしていないだけだと思います。評価は相変わらず高いです。
【新入荷★特別価格】[2008] ダラ・ヴァレ マヤ |
【新入荷★特別価格】[2010] ダラ・ヴァレ マヤ |
【新入荷★特別価格】[2013] ダラ・ヴァレ マヤ |
というかマヤをこれだけのヴィンテージそろえて売っているだけでもかなりすごいです。
マヤの一覧