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Date: 2022/0131 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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一時期輸入が途絶えていたナパのワイナリー「ピーター・フラヌス(Peter Franus)」の輸入が再開しています。ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、メルロー、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨンとフルラインアップがそろっており、いずれも完成度の高いワインになっています。

その中でも特筆すべきなのはマウント・ヴィーダ―のブランドリン・ヴィンヤード(Brandlin Vineyard)のブドウを使ったジンファンデルとカベルネ・ソーヴィニヨンです。標高300~400mほどのところにある畑で、マウント・ヴィーダ―らしいしっかりとしたストラクチャーとフレーバーが楽しめます。特にジンファンデルはマヤカマス山脈のナパ側ではあまり見かけない品種のように感じます。複雑さがあり、ジンファンデルの中でもかなり高レベルといっていいでしょう。あまあま系ではなく筋肉質でひきしまったジンファンデルです。



Date: 2022/0130 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ケンタッキー
ソムリエの田邉さんが「ケンタッキーフライドチキンとワインのペアリング|田邉 公一 Wine director|note」という記事を書かれていたのが気になっていました。ブレッド&バターのピノ・ノワール、飲んだことなかったし、ケンタッキーに合うワインというのを考えたことがなかったし。また、記事中にケンタッキー州といえばバーボンで、バーボンも合うとあったことから、最近増えているバーボン樽のワインはどうなんだろうと思ったのでした。

試したワインは以下の3つ。
ワイン
バーボン樽のワインじゃなくスコッチ樽熟成のナーリー・ヘッドにしてしまいましたが、そこはご愛嬌ということで。ピーチー・キャニオンのジンファンデル・ブレンドは先日開けたものがまだ残っていたので、これも合わせてみました。多分、自分で考えたらケンタッキーにはジンファンデルを選びそうということもあります。

で、結論から言うと、この3つの中ではブレッド&バターのピノ・ノワールがベストでした。このピノ・ノワール、かなり甘やかさがあって樽の風味もしっかりあります。その風味やボリューム感にフライドチキンの脂やスパイス感がすごくよく合いました。田邉ソムリエさすがです。甘やかさやボリューム感など似た系統の味のピノ・ノワールだとメイオミもよく合いそうです。




ナーリー・ヘッドのシャルドネはリアルワインガイドで旨安大賞に選ばれたワイン。スコッチ樽熟成で樽感はしっかりあるのですが、甘やかさはブレッド&バターほどはなかったです。むね肉のところだと結構あいますが、もも肉など脂の多い部所には、もう少しワインのボリューム感がほしい感じです。同じナーリー・ヘッドでもバーボン樽熟成のカベルネ・ソーヴィニヨンとかカーニヴォのバーボン樽熟成とかの赤ワインの方が合いそうな気がします。




ピーチー・キャニオンのジンファンデル・ブレンド「インクレディブル・レッド」は先日の記事で「レッド・プラム、レッド・チェリーなどの赤系の果実味を最初に感じます。ブラックベリーなど黒系も少し。タンニンは中程度。酸はやや高く、ふくよかですが昨今のジンファンデル系レッドブレンドのような甘さはありません。ミディアムプラス程度のボディ。トーストやスパイスの風味もあって、余韻も上々」と書いています。

これもすごくおいしいジンファンデルなのですが、ケンタッキーと合わせるにはもっと甘い系のレッド・ブレンドがいいと思います。プリズナーとかオリン・スイフトのアブストラクトとか。手頃な価格帯だと人気の「689」のレッドとかも良さそうです。

Date: 2022/0128 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カーネロスのソノマ側にあるワイナリー「クライン(Cline)」が英国向けに作っているワインがコロナ禍でキャンセルになって日本に限定入荷されています。クラインといえば、非常にコスト・パフォーマンスが高いジンファンデルやローヌ系のワインで知られていますが、クライン本体のものよりもさらに安くなっています。

ワインの名前はメドウホーク・セラーズとなっており、クラインの名前はありません。ブドウはコントラコスタのものでジンファンデルのオールド・ヴァインとなっています。

コントラコスタは砂地の土壌に100年を超える樹齢の自根のジンファンデルが残っています。有名な畑だとベッドロックが買い取ったエヴァンジェロ・ヴィンヤードがあります。ただ、有名産地ではないため、格安なワインになるのも特徴です。

とはいえ、クラインのコントラコスタのジンファンデルだと3000円くらいしますが、このワインは税込でも2000円切り。かなり格安になっています。輸入元は完売ということで在庫限りです。


Date: 2022/0124 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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数ヴィンテージぶりにもどってきたという、ピーチーキャニオンの「インクレディブル・レッド」を飲んでみました。
peachy canyon
ピーチーキャニオンはパソロブレスのワイナリー。良質のジンファンデルで知られており、このワインはジンファンデルブレンドでエントリーレベルのものになります。
ブドウの大半が自社畑になったとのこと。サスティナブルの認証も受けています。

レッド・プラム、レッド・チェリーなどの赤系の果実味を最初に感じます。ブラックベリーなど黒系も少し。タンニンは中程度。酸はやや高く、ふくよかですが昨今のジンファンデル系レッドブレンドのような甘さはありません。ミディアムプラス程度のボディ。トーストやスパイスの風味もあって、余韻も上々。

今回、しあわせワイン倶楽部の限定価格で税込み1000円台でしたが、3000円クラスの味わいと思います。こるはコスパ高い。お薦めです。

Date: 2022/0122 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ヴィナスでソノマのレポートが公開されました。山火事の影響が大きい2020年のヴィンテージについては、シャルドネは影響が少なく、ジンファンデル特に古木の畑も比較的影響が小さかったようです。一方、シラーは比較的煙の影響を受けやすいことなどがわかってきました。

それはそれとして、ソノマのワインをいくつか調べていたら、ジンファンデルの雄として知られるベッドロック(Bedrock)の2020ヴィンテージが大幅値上げになりそうな気配です。現在価格が出ているのはモンテ・ロッソのジンファンデルだけですが、2018年の希望小売価格8900円から2020年は1万3000円。為替の影響とか海運とか、値上げ要素はたくさんあるのでやむを得ないとは思いますが、これだけの値上げはかなりきついです。

まだ市場には2018年も残っているので、ジンファンデルファンは2018年をはやめにゲットしておくことをお薦めします。

ちなみにヴィナスでは96点。「エレガントでピュアで洗練されている」と書かれています。

ジンファンデルというと、濃厚で甘いといったイメージを持っている人も多いかもしれませんが、このクラスのものになると、そういうイメージはかなり変わります。特にモンテ・ロッソはエレガント系(といっても、ピノ・ノワールの薄旨な感じではなく、きれいな赤果実な感じ)の印象があります。また、畑ごとの味わいの違いもかなりあります。いわゆるテロワールによる部分もありますし、元々フィールド・ブレンドで植わっている品種の比率も違うので、カベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワールなどよりも畑の違いを感じやすいかもしれません。

多くの人に、この世界を知ってほしい、と思うワインの一つです。



Date: 2022/0120 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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昨年11月に「1本100万ドル、オークションで落札新記録 ソノマの無名ワインがなぜ?」という記事で1本100万ドルという史上最高額でワインが落札された話を紹介しました。

このワインを造ったのがジェシー・カッツ(Jesse Katz)。Forbes誌の「30歳以下の30人」やワイン・エンスージアストの「40歳以下の40人のテーストメーカー」にも選ばれたことのある才人です。この人のメインのワイナリーであるアパーチャー・セラーズ(Aperture Cellars)のカベルネ・ソーヴィニヨンがしあわせワイン倶楽部に入荷しています。

ジェシー・カッツはもうひとつのワイナリーデビル・プルーフ(Devil Proof)で、カリフォルニアのマルベックとしては唯一の100点をワイン・アドヴォケイトで取得しています。このアパーチャー・セラーズのカベルネ・ソーヴィニヨンもワイン・アドヴォケイトで97点。「花のようなニュアンスを持つ素晴らしい香り」があると評価しています。ちなみにここでもマルベックが7%使われています。1万円台のカベルネ・ソーヴィニヨンとしてはかなりの高評価です。

ソノマのアレキサンダー・ヴァレーはシルバー・オークやジョーダンなど、ソノマの中でも素晴らしいカベルネ・ソーヴィニヨンが作られる地域。このワイナリーでは山麓の斜面にあるやや冷涼感のあるところでミネラル感のあるカベルネ・ソーヴィニヨンを収穫しているといいます。


Date: 2022/0111 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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2021年ヒットしたワインの一つ「スラムダンク」。品切れ時期もありましたが、今は順調に出回っているようです。

このワイン、2000円台という手に取りやすさ、果実味豊かでわかりやすいおいしさに加え、オレンジ色で映えるラベルに覚えやすい名前と売れる要素が満載。ワイン・アドヴォケイトも「ファンタスティック・ヴァリュー」と褒め称えています。

さらに有名人効果も加われば鬼に金棒というところですが、実は2022年秋にはアニメ「スラムダンク」の映画が公開されるんです。これで今年も大ヒットは間違いないでしょうね。

あと、気になるのは次のヴィンテージの味わいがどうかというところと、船便の遅れでまた品切れにならないかというところです。

現行は2019年で次の2020年はナパやソノマなどは山火事で大きな被害が出たヴィンテージ。ただ、このワインのブドウはロウダイやシエラフットヒルズのものを使っているので、おそらくは火事の影響もほとんどないだろうと思います。

もし、飲んだことない人がいたら、ぜひ飲んでみてくださいね。




Date: 2022/0105 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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「ニューカリフォルニア」系を代表するワイナリーの一つ、ブロック・セラーズが輸入元変更になり、柳屋でジンファンデルが38%割引のセールになっています。

参考:「ニューカリフォルニア」の注目株、ブロック・セラーズの魅力

ニューカリフォルニアはアルコール度数が低く、新樽は使わない、SO2は最小限、天然酵母、マイナー品種やマイナーな地区の古木の畑などのブドウを使う、といった特徴がありますが、このジンファンデルもアルコール度数は12.5%とかなり低めになっています。

畑はソノマ・ヴァレーのArrowhead Mountainとロシアン・リバー・ヴァレーのBuck Hill Vineyardをブレンド。きれいな酸や赤系果実の味わいがエレガントなワインに仕上げています。

ワイナリー価格が40ドルのところが今回は税別3200円と現地価格割れ。ニューカリフォルニア系の中にはトリッキーな味わいのものも散見されますが、これは飲みやすく取っ付きやすいワイン。ニューカリフォルニア系気になるけど飲んだことないといった人にもお薦めです。


Date: 2022/0104 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ロバート・パーカーがかつてコスパ最強として賛美していたワインがマリエッタのオールド・ヴァイン・レッドです。スティル・ワインとしては異例なノン・ヴィンテージとして作られるワインで実際に複数のヴィンテージをブレンドして作られています。品種の構成も公開されていませんが基本的にはジンファンデルをベースにしてシラーやプティ・シラーなどをブレンドしています。

年に数回のボトル詰めごとにロット番号が割り振られます。日本には現在ロット68が出回っており、71が今月入ってくるところです。このロット71はワイン・アドヴォケイトのエリン・ブルックスが昨年末の「レビュアーズ・フェイバリット」の1本に上げており、94点という高得点を付けています。

米国での価格は18ドルですが、日本は希望小売価格2500円とかなりリーズナブル。ショップによっては税込みで2000円台前半とほぼ現地価格で極めてお買い得になっています。

ワイン・イン・スタイルが輸入しているこのワイン、実は先日の試飲会でも個人的にはお気に入りの一つに入れていました。ただお薦め記事を書くときに、試飲会で書いたテイスティング・コメントが「濃厚」という部分しか読み取れず、記事に載せるのをやめてしまったという、ちょっと苦い記憶が…

そんなわけで私からもお薦めとさせていただきます。


Date: 2022/0102 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カレラといえば「カリフォルニアのロマネコンティ」という異名を持つワイナリーとして知られています。このニックネームの由来は、ロマネコンティで働いていたことがある創設者のジョシュ・ジェンセンが、ロマネコンティの畑のブドウの枝を持ち込んで植えたという「伝説」によるものですが、こういった、正規ルートでない枝の持ち込みは「スーツケース・クローン」といって、現在は厳しく禁止されているので、一応今は否定も肯定もしない、ということになっています。

さらに、漫画「ソムリエ」で、主人公がブラインドで出されたワインを最初ロマネコンティだと思ったものの、カレラのジェンセンだと見破ったというエピソードがあり、日本ではカレラ、特にジェンセンの人気が高くなりました。

私のアカデミー・デュ・ヴァンの講座でも何回かカレラを取り上げていますが、受講生の「飲んだことがある」比率はかなり高いワインです。ただ、一方で「昔飲んだけど、最近は全く」という人も多く、意外と見過ごされているワイナリーでもあるのかもしれません。

実際にはカレラはコンスタントに高品質なワインを作り続けており、値段はほとんど上がっていないので、現在では品質に比べてかなりリーズナブルに買えるワインの一つでもあります。

カレラの単一畑は、ジェンセン、セレック、リード、ミルズ、ライアン、ド・ヴィリエの6つがありますが、特にジェンセンの人気が突出して高く、次いで超熟型のセレックとなっています。価格も概ねこの順で、ジェンセンはド・ヴィリエやライアンの倍近い価格なのですが、ワイナリー価格で見ると1.5倍程度なのでド・ヴィリエやライアンのほうがかなり現地価格に近くなっています。例えばド・ヴィリエ2017のワイナリー価格65ドルに対し、国内は税込み8300円程度と、ほぼ現地価格といっていいレベルです。

また、アカデミー・デュ・ヴァンの講座では複数の単一畑をブラインドで試飲しましたが、畑間の品質差はほとんどないというのが実感です。特に、ド・ヴィリエはジェンセンに一番近い畑であり、ややタニックなところはありますが、酒質も一番近く感じます。

現行市場に出回っている2017年はかなり評価の高い年で、ヴィナスの評価ではセレックが96、ジェンセンが95、リード、ミルズ、ド・ヴィリエが94、ライアンが93となっています。

しあわせワイン倶楽部では11日まで初売りで10%引きとなっていて、ド・ヴィリエは7000円台。この機会にお薦めです。