New York TimesのサイトにKistlerについての詳しい記事が掲載されていました。オーナーのSteve Kistlerは学究肌の人として知られており,あまりメディアに登場しません。貴重な記事だと思います(A Cult Winemaker Tinkers With Success)。

Kistlerはここ数年でスタイルを変えつつあると言います。元々,パワフルで凝縮した味わいのワインで人気を集めたKistlerですが,フィネスを求めるようになってきているとのこと。一部の顧客は元のスタイルの方がいいと言っているそうですが,スタイルが変わったからやめるという顧客はほとんどいなかったそうです。

スタイルの変化のきっかけになったのは2006年のヴィンテージで,悪天候に備えて一部のシャルドネを通常より早く収穫したのだそうです。その結果,凝縮感はあるものの重くないワインが作れるようになったとのことで,アシスタント・ワインメーカーのJason Kesnerは「目からウロコが落ちる経験だった」といいます。

2008年にこのJason Kesnerをチームに加えたことも従来Steve KistlerとMark Bixlerの二人で運営してきたKistlerにとっては大きな変化。Kesner氏はHudson Vineyardの管理者でもあるそうです。

アシスタント・ワインメーカーを加えたのは,これまでよりも一段上のレベルに進むためのものだといいます。また,ワイナリを引き継ぐ人を欲しかったということもあるようです。Steve Kistlerには娘が二人いますが,二人とも現在のところ後を継ぐ意思はないそうです。

面白い記事なので,キスラーファンの人は一読することを勧めます。