ワインメーカーが注目されるきっかけは大きく分けて2つあります。1つはロバート・パーカーなどの評論家がワインを高く評価したとき、もう1つは著名なワイナリで採用されたときです。Andy Erickson(アンディ・エリクソン)にとっては後者が大きく影響しています。2006年にScreaming Eagle、2007年にDalla Valleと、超高額ワインで知られる「カルト」なワイナリに相次いでワインメーカーとして就任したからです。

1967年生まれのアンディ・エリクソンはインディアナ州の生まれ。ワインとは縁がなく育ち、大学もワイン醸造とは無関係。サンフランシスコで広告関係の仕事をしているうちにワインへの興味が増し、1993年に1年半の休みを取って南米に行きました。アルゼンチンのワイナリで、1994年の収穫を手伝っているときに著名なワインメーカーのPaul Hobbs(ポール・ホブス)と出会い、ナパに行って当時Paul Hobbsが手がけていたStag's Leap Wine Cellarsで働くことになりました。

さらに、ナパに来て早々、John Kongsgaard(ジョン・コングスガード)と知り合いになり、Newtonで働くことに。そこで妻となるAnnie Favia(アニー・ファヴィア)と出会いました。コングスガードは、彼を一番弟子とみなしているようです。このほかHarlan EstateのBob Levy(ボブ・レヴィ)とも知り合いになってHarlanでも一時働くなど、幸運が続きました。

2001年にStaglinのワインメーカーとして独り立ちし、2003年にはコンサルティング・ビジネスを本格的に始めるのと同時に、妻と共同でFaviaを立ち上げました。

2004年にサンタ・バーバラのJonataでワインメーカーになりました。そのオーナーだったCharles Banks(チャールズ・バンクス)がScreaming Eagleを買収したことで、同ワイナリのワインメーカーになりました。もちろん、その実力があってのものでしょうが、人との出会いの幸運が驚くほどです。

なお、2007年のScreaming Eagleが、Wine Advocateで10年ぶり2回目となる100点と評価され、同年のDalla Valle Mayaが98点を得るなど、実際のワインの評価も上々という言葉では足りないくらいです。

シャトー・オーゾンヌが好きで、一番好きな品種はカベルネ・フランだというアンディ・エリクソン。Mayaはカベルネ・フランを多く使っていますが、Faviaでもカベルネ・フランを中心に作っています。

Stag's Leap Wine Cellars 1994
Spottswoode ?-?
Newton ?-?
Harlan Estate 2000-2001
Staglin 2001-2002
Hartwell 2003?-2006
Ovid 2003-現在
Dancing Hares 2003-現在
Favia 2003-現在
Leviathan 2004?-現在
Jonata 2004-2006?
Arietta 2005-現在
Screaming Eagle 2006-2011
Dalla Valle 2007-?