ちょっと前の記事ですが、ウォールストリート・ジャーナルに、ワイン・コンサルタントについて書かれたものがありました(What Winemaking Consultants Really Do | On Wine by Lettie Teague - WSJ.com)。

ワイン・コンサルタントというと圧倒的に有名なのがミシェル・ロラン。この記事が書かれたきっかけもボルドーのシャトー・フィジャックがミシェル・ロランをコンサルタントとして雇ったことでした。それが明らかになったときに、多くの人がフィジャックのワインが「ロラナイズド」されることを懸念したのですが、コンサルタントに本当にそんなパワーがあるのかどうか、ということを調べたかったとのことです。

ミシェル・ロランが契約しているワイナリの数は200とも言われています。ロラン自身へのインタビューによると、ブラインド・テイスティングでロランのワインと他のワインを並べてテイスティングしたときに、100%違うと思われた方がロランのワインだったという例があるように、「ロラナイズド」されたワインについては否定的でした。

カリフォルニアのポール・ホブズ(南半球など40近くのクライアントがいます)は「クライアントと地域を反映したワインを作りたい」とやはり特定のスタイルを持つことには否定的でした。

このほか、キホーテやフィッシャー、ジェリコ・キャニオンなどのアーロン・ポット、フィリップ・メルカなども登場し、なかなか興味深い記事になっています。

一番多くの人の関心を引きそうなのは報酬についてでしょう。記事によるとロランの報酬は年間10万ドルから25万ドル(一部はタダとの話も)。アーロン・ポットは月額1万ドル、フィリップ・メルカは月額8000ドル。それだけの価値があるのだとすれば、やはりすごいことです。ちなみに評論家から高い得点を得るとボーナスがもらえることもあるそうですが、以前は92点以上だったのが今は95点以上になっているとか。

コンサルタント志望の若者は多いそうですが、確かにうまくいけばおいしいビジネスなのかもしれません。