ジャンシス・ロビンソンのサイトに、ワインのアルコール度を下げるために使われる様々な試みについて書かれた記事が公開されています(Less alcohol but no less flavour | Articles | JancisRobinson.com)。

カリフォルニアの話が大部分を占めているのですが、中でも興味深かったのがイングルヌックの試みです。多くの畑が2月か3月に剪定を行うのに対し、12月に剪定を始めてしまいます。それによって芽吹きが早まり、8月末か9月には完熟して収穫できるようになります。これによってアルコール度が下がって、よりバランスが取れたワインができるというのです。

イングルヌックの現在のワインメーカーは2011年にシャトー・マルゴーから来たフィリップ・バスコール。2ヴィンテージ見てきた後、上記の結論に達したそうです。剪定を早めることで、霜の害などに襲われる危険は増えますが、それは意に介さないそうです。逆に、収穫を遅くするとブドウの一部がレーズンのようにしなびてしまいますが、そちらの方が問題だと考えています。

これがうまくいくかどうか、未知数ではありますが、少なくともジャンシス・ロビンソンは2013のルビコン(イングルヌックのフラグシップ)に深く感銘を受けたそうです。

このほか、キャプサンディがベリンジャーのプライベート・リザーブで使われていたステート・レーンの畑を買い取った後、植え替えをするために、最適な列の方向を探るのに人工衛星のデータを使った話など、いろいろ興味深いことが載っている記事です。