ジンファンデルには「古木信仰」があります。ラベリングのルールとしては何の意味もありませんが「Old Vines」と書いてあれば、それだけで質が高いワインのような気がします。実際、先日来日したベッドロックのように、100年を超える畑から次々と素晴らしいワインを作っているワイナリーもあります。

Gnarly old vines

では、本当に古木はいいワインを作るのだろうか、とSFクロニクルの記事が問いかけています(Do old vines really produce better wine? - San Francisco Chronicle)。

なかなか面白い議論で、元記事を読んでいただきたいところですが、結論から言うと、「古い樹はバランスが取れたワインを作りやすい」ようです。

若い樹は、放っておくと、実を付け過ぎたり、完熟な果実と未熟な果実とバラバラになったりすることがありますが、古い樹は、自然にその樹にあった収量になり、バランスが取れた味わいになるといいます。

実際に、カーライルでは古木の畑の中で、死んでしまった樹のところに、同じ畑の樹の枝を使って、新しい樹を植えています。つまり、樹齢以外は全く同じブドウと言えるわけですが、若い樹と古い樹を別々に収穫して比べてみると、古い樹はバランスが取れているのに対して、若い樹はカリウムの量が多すぎたり、酸が少なすぎたりなど、何かおかしなところが出るそうです。おそらくは根の張り具合などから、そういった違いが出るのでしょう。

古い樹はカリフォルニアの大きな資産だと思います。