Wine & Spirits誌は、もう27回目になる恒例のレストランにおけるワインの人気投票「Restaurant Poll」を実施しています。その、今年の結果からシャルドネの好みの傾向を考察した記事がありました(American Wine Drinkers Cut Back on Butter | Wine News & Features | Mobile)。

今年の人気ー位はCakebread(ケークブレッド)、二位はJordan(ジョーダン)で、どちらもコテコテ系ではない「フードフレンドリー」なシャルドネを得意としています。また、投票したソムリエの一人はは、「カリフォルニアのシャルドネはシャブリ的なスタイルになってきている」とコメントしています。

また、コテコテ系(元記事ではButtery)の代表格である、ロンバウアー(Rombauer)やソノマカトラー(Sonona-Cutrer)は近年ランクを大きく落としています。ロンバウアーは2011年までトップ5だったのが今年は47位、ソノマカトラーは昨年三位が今年は16位です。

また、高級系コテコテのキスラー(Kistler)も、昨年8位から25位に落ちています。ただし、キスラーについては「近年はコテコテ系から変わってきた」というコメントもあります。

シャルドネがレストランで一番人気なのは変わりませんがグラスではピノ・ノワールの人気も上がっています。

グラスワインの人気一位はメイオミ(Meiomi)。ケイマスの一族が作ったピノ・ノワール専業ワイナリーで、昨年巨額で売却して話題になりました。

メイオミはピノ・ノワールの中でも甘々系と言われていますが、そうでないワインも入っています。二位にはコパン(Copain)、四位タイにはサンディ(Sandhi)と、IPOBのワイナリー、しかもそれほど規模が大きくないところが入っています。

このように、アメリカ人のワインの好みの変化を表しているように見えるレストラン・ポールですが、気をつけなければいけないことがあります。

一つは調査の回収率。2952軒のレストランに依頼して、回答は250軒にとどまっています。ニューヨークやカリフォルニアといった「意識高い系」の比率が高くなっています。

もう一つは調査の回答は必ずしも実績に基づいていないこと。ソムリエが実際に売った数ではなく、何を売りたいかを表したものであることです。

なるほどなあ、といろいろ勉強になりました。