ナパのレポートはまだまだありますが、世界を揺るがす大事件となった、英国のEU離脱について、ワイン市場にどういう影響を与えるかをみてみましょう。

EUR/GBP

まず、間違いなく起こるのが(既に起こっていますが)為替の変動です。特に、英国のポンドは価値が急落します。上のグラフはユーロと英国ポンド

それで、どういうことが起こるかということですが、EUのワイン、例えばフランスのワインの英国への輸入は減るでしょう。ボルドーのプリムール市場に壊滅的な影響を与えるという予測もあります(Reaction: How Brexit vote could affect wine lovers)。

英国では、フランスやイタリア、スペインなどのワインの価格が上がることにより、それ以外のワインを求める動きが大きくなるかもしれません。例えば、近年スパークリング・ワインの評価が上がっている、英国製のワインが売れるようになるかもしれません(Brexit: A good day for English wine?)。

一方で、英国ワインの輸出には大きな打撃となるでしょうから、英国製ワインにとってこれが本当に歓迎すべきことなのかどうかは不明です(​What would Brexit mean for wine lovers? | Articles | JancisRobinson.com)。

また、南アフリカや、オーストラリア、ニュージーランドなどのワイン(米国も含むかどうかはわかりませんが)、にとっては英国市場への販売が相対的にやりやすくなるかもしれません。

日本やカリフォルニアのワインにとっては、これよりもTPPの影響の方が大きいかもしれませんが、いずれにしろ、これがきっかけとなって、ワイン市場も大きな変化が出てくるのでしょう。