パイン・リッジのケーブでおしゃれディナー(ナパ2日め、その4)
トレフェッセン(Trefethen)での豪華メンバーによるパネル・ディスカッションの後は、パイン・リッジ(Pine Ridge)に行って、ワイナリー見学とディナーです。2日め(といっても初日はハンバーガー屋だけだったので、実質1日めみたいなものです)にして、あまりのプログラムの濃さに早くもくらくらしてきました。
パイン・リッジは昔、米国に住んでいたころ、よく飲んでいたワイナリーの一つです。AVAもののカベルネ・ソーヴィニヨンが非常にコスト・パフォーマンスが良かったのでした。ただ、当時は20ドル台だったAVAものでも今は80ドル以上。20年近く前だから仕方ないのでしょうが、やはり高くなったものです。それを考えるとオーパス・ワンは当時の日本の価格が3万円近く。値上がり比率で見ると意外と優等生なのかも(内外価格差が縮まったのも大きいですが)。
どうも久々のナパでいろいろと懐かしく与太話が増えてしまうのはお許しください。
パイン・リッジは1978年にスキーのオリンピック選手だったゲイリー・アンドラス(Gary Andrus)氏がスタッグス・リープ・ディストリクトに設立したワイナリー(ちなみにオレゴンのアーチェリー・サミットもゲイリー・アンドラスによる設立です)。スタッグス・リープ・ディストリクトというと、その名の元になったヴァレーの東側のスタッグス・リープ・パリセイドと呼ばれる切り立った岩と、そこに向かう西向き斜面の畑というのが一般的なイメージですが、このワイナリーはスタッグス・リープ・ディストリクトの中でもシルバラード・トレイルの西側の、どちらかというとヴァレー・フロア側に位置しています。
ただ、このあたりはヴァレー・フロアといっても実際にはいくつかの小高い丘が立ち並ぶかなり複雑な地形。そのため、スタッグス・リープ・ディストリクトは「ヴァレー・ウィズイン・ア・ヴァレー」といったいいかたもされています。パイン・リッジの自社畑も、こういった丘の周囲の斜面に作られており、斜面の向きなど極めてバリエーションの大きな地形になっています。畑の管理も収穫もかなり手間がかかりそうなところです。
ちなみに、どうしてこういう地形になったのか、今回のツアーメンバーの一人で、ワインの地質学を研究している坂本雄一さんに聞いてみたところ、小さな火山の跡なのではないかという話でした。実際、このあたりの土壌は火山性のもののようです。
畑の次はワイナリーです。ここで面白かったのは樽を積んでいるラック。
写真で分かるように、周りが金属の円になっています。ここにローラーが付いていて、実は手動でも割と簡単に樽を回せるようになっています。このラックは地震に強いのと、その回す仕組みによって、樽の中の澱をかき混ぜて澱に含まれる旨味をワインに移すバトナージュという作業の代わりになるとのことでした。
こちらのタンクは冷却中。白ワインには酒石酸が含まれていますが、それがボトルの中で結晶化するとユーザーからのクレームの元になります(害はありませんが)。そこでボトル詰めの前に何日か冷却することで、酒石酸を結晶化させて取り除いてしまうという処理をするのだそうです。
ワイナリーからケーブに行きます。結構迷路のように複雑なケーブ。迷子になりそうです。
奥の方に行くと、テーブルがあります。今日のディナーはここです。予想以上のおしゃれ空間でちょっとびっくりしました。
本日のメニューです。
最初の皿はホタテ。
ワインはパイン・リッジのほか、シレナス(Silenus)とサマーストン(Somerston)が提供しています。最初の皿にはパイン・リッジのシャルドネとシレナスのシャルドネ。シレナスのシャルドネは、シャブリのようなレモニーな味わい。酸が強めではありますが、後からトロピカルフルーツのフレーバーも出てきます。一方、パイン・リッジはクリスプですが、樽のフレーバーもほどよく感じ(新樽は15~20%とのこと)、パイナップルなどトロピカルフルーツのフレーバーもあります。
今回のホタテはほのかに甘いスープ仕立てで、パイン・リッジは互いに芳醇さで引き立て合い、シレナスは対象的な味わいで、これもいい組み合わせでした。なお、シェフはパイン・リッジに専属の方です。
さて、一皿目が意外とボリュームがなかったので、ちょっと安心したのですが、大きな間違いでした。
メインディッシュの「ピメントン・ポークヒレ」は70~80gくらいありそうなヒレ肉のポーションがなんと4切れも入っています。その下にはコップ一杯分くらいはありそうなレンズ豆。ヒレ肉なので油っこくはなく食べられるのですが、それにしてもすごいボリュームでした。全部食べましたよ。
ワインはサマーストンのカベルネ・ソーヴィニヨンとパイン・リッジのカベルネ・ソーヴィニヨン スタッグス・リープ・ディストリクト。サマーストンは優しい口当たり。ナパらしい芳醇なカベルネ・ソーヴィニヨンでした。パイン・リッジは、まだちょっと若い感じでタンニンがかなり強く感じました。スパイシーで熟成したら美味しそうなワインです。
順番は前後しますが、最初にパイン・リッジのテイスティング・ルームでパイン・リッジとシレナスの試飲もありました。
パイン・リッジのシュナン・ブランとヴィオニエのブレンドはほのかに甘さを感じるような優しい味わい。ナパのワインとしては珍しいですが、実は日本でも1000円台で買えるかなりお買い得なワインです(ワイナリー価格は15ドルなので実は日本で買う方が安いかも)。2014年はWine Advocateで90点を取っているなかなか優秀なワイン。
しかし、この日は食べ過ぎました。さすがにホテルに帰ってからダウン。胃薬を飲んで床に着きました。
パイン・リッジは昔、米国に住んでいたころ、よく飲んでいたワイナリーの一つです。AVAもののカベルネ・ソーヴィニヨンが非常にコスト・パフォーマンスが良かったのでした。ただ、当時は20ドル台だったAVAものでも今は80ドル以上。20年近く前だから仕方ないのでしょうが、やはり高くなったものです。それを考えるとオーパス・ワンは当時の日本の価格が3万円近く。値上がり比率で見ると意外と優等生なのかも(内外価格差が縮まったのも大きいですが)。
どうも久々のナパでいろいろと懐かしく与太話が増えてしまうのはお許しください。
パイン・リッジは1978年にスキーのオリンピック選手だったゲイリー・アンドラス(Gary Andrus)氏がスタッグス・リープ・ディストリクトに設立したワイナリー(ちなみにオレゴンのアーチェリー・サミットもゲイリー・アンドラスによる設立です)。スタッグス・リープ・ディストリクトというと、その名の元になったヴァレーの東側のスタッグス・リープ・パリセイドと呼ばれる切り立った岩と、そこに向かう西向き斜面の畑というのが一般的なイメージですが、このワイナリーはスタッグス・リープ・ディストリクトの中でもシルバラード・トレイルの西側の、どちらかというとヴァレー・フロア側に位置しています。
ただ、このあたりはヴァレー・フロアといっても実際にはいくつかの小高い丘が立ち並ぶかなり複雑な地形。そのため、スタッグス・リープ・ディストリクトは「ヴァレー・ウィズイン・ア・ヴァレー」といったいいかたもされています。パイン・リッジの自社畑も、こういった丘の周囲の斜面に作られており、斜面の向きなど極めてバリエーションの大きな地形になっています。畑の管理も収穫もかなり手間がかかりそうなところです。
ちなみに、どうしてこういう地形になったのか、今回のツアーメンバーの一人で、ワインの地質学を研究している坂本雄一さんに聞いてみたところ、小さな火山の跡なのではないかという話でした。実際、このあたりの土壌は火山性のもののようです。
畑の次はワイナリーです。ここで面白かったのは樽を積んでいるラック。
写真で分かるように、周りが金属の円になっています。ここにローラーが付いていて、実は手動でも割と簡単に樽を回せるようになっています。このラックは地震に強いのと、その回す仕組みによって、樽の中の澱をかき混ぜて澱に含まれる旨味をワインに移すバトナージュという作業の代わりになるとのことでした。
こちらのタンクは冷却中。白ワインには酒石酸が含まれていますが、それがボトルの中で結晶化するとユーザーからのクレームの元になります(害はありませんが)。そこでボトル詰めの前に何日か冷却することで、酒石酸を結晶化させて取り除いてしまうという処理をするのだそうです。
ワイナリーからケーブに行きます。結構迷路のように複雑なケーブ。迷子になりそうです。
奥の方に行くと、テーブルがあります。今日のディナーはここです。予想以上のおしゃれ空間でちょっとびっくりしました。
本日のメニューです。
最初の皿はホタテ。
ワインはパイン・リッジのほか、シレナス(Silenus)とサマーストン(Somerston)が提供しています。最初の皿にはパイン・リッジのシャルドネとシレナスのシャルドネ。シレナスのシャルドネは、シャブリのようなレモニーな味わい。酸が強めではありますが、後からトロピカルフルーツのフレーバーも出てきます。一方、パイン・リッジはクリスプですが、樽のフレーバーもほどよく感じ(新樽は15~20%とのこと)、パイナップルなどトロピカルフルーツのフレーバーもあります。
今回のホタテはほのかに甘いスープ仕立てで、パイン・リッジは互いに芳醇さで引き立て合い、シレナスは対象的な味わいで、これもいい組み合わせでした。なお、シェフはパイン・リッジに専属の方です。
さて、一皿目が意外とボリュームがなかったので、ちょっと安心したのですが、大きな間違いでした。
メインディッシュの「ピメントン・ポークヒレ」は70~80gくらいありそうなヒレ肉のポーションがなんと4切れも入っています。その下にはコップ一杯分くらいはありそうなレンズ豆。ヒレ肉なので油っこくはなく食べられるのですが、それにしてもすごいボリュームでした。全部食べましたよ。
ワインはサマーストンのカベルネ・ソーヴィニヨンとパイン・リッジのカベルネ・ソーヴィニヨン スタッグス・リープ・ディストリクト。サマーストンは優しい口当たり。ナパらしい芳醇なカベルネ・ソーヴィニヨンでした。パイン・リッジは、まだちょっと若い感じでタンニンがかなり強く感じました。スパイシーで熟成したら美味しそうなワインです。
順番は前後しますが、最初にパイン・リッジのテイスティング・ルームでパイン・リッジとシレナスの試飲もありました。
パイン・リッジのシュナン・ブランとヴィオニエのブレンドはほのかに甘さを感じるような優しい味わい。ナパのワインとしては珍しいですが、実は日本でも1000円台で買えるかなりお買い得なワインです(ワイナリー価格は15ドルなので実は日本で買う方が安いかも)。2014年はWine Advocateで90点を取っているなかなか優秀なワイン。
しかし、この日は食べ過ぎました。さすがにホテルに帰ってからダウン。胃薬を飲んで床に着きました。