ヴィナス(Vinous)のアントニオ・ガッローニがカレラ・ジェンセンの記事を書いています(Calera Pinot Noir Jensen Vineyard – A Journey Through Time 1978-2013 (Sep 2015) | Vinous - Explore All Things Wine)。

カレラ誕生についての話から書かれていますが、それについてはこれまで日本でも散々書かれているので省略します。なお、「ロマネ・コンティの畑で拾った」などと言われている、カレラのピノの由来ですが、ここではブルゴーニュから持ち帰ったとだけ書かれています。

1974年に植樹し、1978年に最初のワインを作っています。最初のヴィンテージは24エーカーから全部でわずか1トンの収穫。現在目標だとしている2トン/エーカーと比べてもわずか2%くらいという極端な低収量でした。

その結果、非常に密度が高く、タンニンの強いワインになっているそうです。飲み頃になるまでに数十年かかるワインでしたが、今でもすばらしい味わいだそうです。これこそが「カレラがピノ・ノワールのエリート・プロデューサーの1つであるという証」だとしています。

なお、ジェンセンの飲み頃についてガッローニは10~15年くらいが一番おいしく感じられるが、もっと長く飲み頃が続くヴィネテージも多い、としています。

Jensen

カレラについては、2010年ころまでは評論家の評価はあまり高くなく、結果として米国での人気もさほどではなかった印象があります。日本では1990年代にマンガ「ソムリエ」の影響で人気が急上昇し、年ころは入手困難なワインの1つでした。私もカレラを買うために、朝早くからデパートに並んだことがあります。

マンガで人気に火が付いた話は米国でも報じられていたので、当時の米国のマニアの認識は「カレラって日本では人気らしいね」といった感じであまり高く評価されていませんでした。

我が道を行くオーナーのジョシュ・ジェンセンの姿勢や、除梗なしの造りで飲み頃まで時間がかかることもあり、米国では決して人気のピノではなかったと思います。そういう意味では一貫して人気が続いている日本の方がカレラを理解していたのかもしれませんね。