テッド・レモン兄さんのワイン講座(後編)
テッド・レモン兄さんのワイン講座(前編)
テッド・レモン兄さんのワイン講座(中編)
家のインターネット接続が不調でアップが遅くなりました(今もテザリングで接続中)。
さて、いよいよピノ・ノワールの試飲です。
ピノ・ノワールは2015年のソノマ・コースト、2013年の単一畑が4種(プラット、サヴォイ、ハーシュ、ピボット)、それから2009年のピボットです。
ソノマ・コーストのAVAのワインは、単一畑のワインに入れられなかったものや、プレスのジュースを使っています。基本的には早飲み用のワインであり、単一畑のワインとは大分違うものと考えた方がいいと思います。
色は意外と濃く、しっかりした味わいですが、バックボーンの酸がしっかりしているのがリトライらしさを感じさせるところです。赤系の果実味がありますが、果実味が爆発するようなワインではありません。
2015年は旱魃が続いていた年で、収量が少なかったのが全体的な特徴となりますが、ブドウの実自体もかなり小粒だったそうです。それが色の濃さなどにつながったとのこと。おそらく、より暖かなロシアン・リバー・ヴァレーあたりのピノ・ノワールだともっとダークなフルーツの風味が濃くなったと思うのですが、やはりそちらに流れないのがリトライ流なのでしょう。「ロシアン・リバー・ヴァレーのワインが好きな人には向かない」とレモン兄さんも言っていました。
ピノ・ノワールの2番めはプラット。かなり強い酸味を感じます。それでいてシルキー。タンニンはほとんど感じません。レモン兄さんによると、茹でたサーモンに合うとのこと。
次はサヴォイ。これだけはアンダーソン・ヴァレーのワインですが、ソノマと全く違うというわけではなく、ソノマ・コーストの延長線として考えるべきだとレモン兄さん。
アンダーソン・ヴァレー自体はかなり細い谷で、ナパに比べると南北の距離も半分以下。どれくらい細いかというと、例えばサヴォイの畑はヴァレーを完全に横切る形になっており、どちらの側にもほかの畑はないとのこと。
これも赤系の果実がはっきりしたワインですが、プラットと比べると、よりしっかりとした印象があります。レモン兄さんによると、サヴォイが一番よく熟成するとのこと。
次のハーシュは、私の一番好きな畑の1つ。今回のワインの中では一番濃厚で、タンニンもあり、酸は比較的後ろに隠れている感じです。ただ、濃いといってもあくまでもリトライのワインの中で、ということ
であり、ひところよく見られた「シラーのようなピノ・ノワール」では全くありません。
ハーシュは標高1400フィートくらいとかなり高いところにあります。かなり北にあるサヴォイは200フィートと比較的低いところ。この2つの畑、収穫時期はほぼ同じなのだそうです。
ちょっと面白いと思ったのは、2つの畑の暑い年のふるまいの違い。サヴォイはヴァレー・フロアなので温度は普段から高めになります。ハーシュは暑い年でも標高が高いため、それほど気温は上がりません。ただ、熱波が襲来すると、暑さ慣れしていないハーシュの方がダメージが大きいのだそうです。
ハーシュのピノ・ノワール、美味しいのは間違いないのですが、以前飲んだ2012年と2013年の印象が結構違うことが気になっていました。それを質問したところ、ハーシュはヴィンテージによって味が大きく変わるのだそうです。2012年は非常に凝縮感があって、いいヴィンテージ。2013年はハーシュに関してはちょっと難しいところがあるヴィンテージだったそうです。個人的には2012年の方が好きでした。
2013年の最後はピボット。これはチャーミングでソフトなピノ・ノワール。2番めに飲んだプラットとピボットはどちらも2003年に植樹した畑で、樹間や剪定の方法、ルートストックも同じ、土壌も同じ。ワインの作り方も同じです。ボトル詰めの日まで同じだそうで、違いはまさに畑そのものだけなのだそうです。
ピノ・ノワールの最後は2009年。これも美味しいですが、まだ熟成を感じるというのには早いような気がしました。もっと15年くらいたったリトライを飲んでみたいですね。
テッド・レモン兄さんのワイン講座(中編)
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さて、いよいよピノ・ノワールの試飲です。
ピノ・ノワールは2015年のソノマ・コースト、2013年の単一畑が4種(プラット、サヴォイ、ハーシュ、ピボット)、それから2009年のピボットです。
ソノマ・コーストのAVAのワインは、単一畑のワインに入れられなかったものや、プレスのジュースを使っています。基本的には早飲み用のワインであり、単一畑のワインとは大分違うものと考えた方がいいと思います。
色は意外と濃く、しっかりした味わいですが、バックボーンの酸がしっかりしているのがリトライらしさを感じさせるところです。赤系の果実味がありますが、果実味が爆発するようなワインではありません。
2015年は旱魃が続いていた年で、収量が少なかったのが全体的な特徴となりますが、ブドウの実自体もかなり小粒だったそうです。それが色の濃さなどにつながったとのこと。おそらく、より暖かなロシアン・リバー・ヴァレーあたりのピノ・ノワールだともっとダークなフルーツの風味が濃くなったと思うのですが、やはりそちらに流れないのがリトライ流なのでしょう。「ロシアン・リバー・ヴァレーのワインが好きな人には向かない」とレモン兄さんも言っていました。
ピノ・ノワールの2番めはプラット。かなり強い酸味を感じます。それでいてシルキー。タンニンはほとんど感じません。レモン兄さんによると、茹でたサーモンに合うとのこと。
次はサヴォイ。これだけはアンダーソン・ヴァレーのワインですが、ソノマと全く違うというわけではなく、ソノマ・コーストの延長線として考えるべきだとレモン兄さん。
アンダーソン・ヴァレー自体はかなり細い谷で、ナパに比べると南北の距離も半分以下。どれくらい細いかというと、例えばサヴォイの畑はヴァレーを完全に横切る形になっており、どちらの側にもほかの畑はないとのこと。
これも赤系の果実がはっきりしたワインですが、プラットと比べると、よりしっかりとした印象があります。レモン兄さんによると、サヴォイが一番よく熟成するとのこと。
次のハーシュは、私の一番好きな畑の1つ。今回のワインの中では一番濃厚で、タンニンもあり、酸は比較的後ろに隠れている感じです。ただ、濃いといってもあくまでもリトライのワインの中で、ということ
であり、ひところよく見られた「シラーのようなピノ・ノワール」では全くありません。
ハーシュは標高1400フィートくらいとかなり高いところにあります。かなり北にあるサヴォイは200フィートと比較的低いところ。この2つの畑、収穫時期はほぼ同じなのだそうです。
ちょっと面白いと思ったのは、2つの畑の暑い年のふるまいの違い。サヴォイはヴァレー・フロアなので温度は普段から高めになります。ハーシュは暑い年でも標高が高いため、それほど気温は上がりません。ただ、熱波が襲来すると、暑さ慣れしていないハーシュの方がダメージが大きいのだそうです。
ハーシュのピノ・ノワール、美味しいのは間違いないのですが、以前飲んだ2012年と2013年の印象が結構違うことが気になっていました。それを質問したところ、ハーシュはヴィンテージによって味が大きく変わるのだそうです。2012年は非常に凝縮感があって、いいヴィンテージ。2013年はハーシュに関してはちょっと難しいところがあるヴィンテージだったそうです。個人的には2012年の方が好きでした。
2013年の最後はピボット。これはチャーミングでソフトなピノ・ノワール。2番めに飲んだプラットとピボットはどちらも2003年に植樹した畑で、樹間や剪定の方法、ルートストックも同じ、土壌も同じ。ワインの作り方も同じです。ボトル詰めの日まで同じだそうで、違いはまさに畑そのものだけなのだそうです。
ピノ・ノワールの最後は2009年。これも美味しいですが、まだ熟成を感じるというのには早いような気がしました。もっと15年くらいたったリトライを飲んでみたいですね。