桃井隆宏さんがソノマで作るアーサーセラーズ。その新ヴィンテージのお披露目にいってきました。

Arthur祭り

アーサーセラーズは2012年が最初のヴィンテージ。今回は2016年なので5ヴィンテージ目にあたります。これまではピノ・ノワールだけでしたが初めてシャルドネが加わりました。

ワインの専門家と愛好家がともにワインを選ぶ「日本で飲もう最高のワイン」では2015年に2013年のピノ・ノワールが愛好家で最高のプラチナ、専門家でゴールド、2016年に2014年のピノ・ノワールが愛好家・専門家ともにプラチナ、2017年に2015年のピノ・ノワールが専門家でプラチナ、愛好家でゴールドに選ばれています。中でも2016年は各ジャンルで1本だけ選ばれる「ベストワイン」に、ミディアムボディの赤のジャンルで選ばれています。

2016年のヴィンテージではピノ・ノワールに畑名として「KR Ranch」と入りました。ファイラ(Failla)やコスタ・ブラウン(Kosta Browne)で有名なキーファー・ランチ(Keefer Ranch)のブドウを使っています。過去のヴィンテージも同じ畑でしたが、あえて畑名は入れていませんでした。キーファー・ランチはマーシー・キーファーさんが亡くなったご主人のロバートさんと作った畑ですが、現在はコスタ・ブラウンが使うブロックはコスタ・ブラウンに売ってしまったため、名前の利用にはちょっとややこしいところがあるようです。

ちなみにシャルドネの畑は秘密。これもかなり有名な畑のようですが、先入観を持って飲んでほしくないとのことで、あえて名前を入れていないそうです。
Arthur祭り

シャルドネから試飲します。新樽は使っていないとのことで、樽からと思われるバニラの香りは軽くするもののそんなにきつくありません。パイナップルのようなトロピカルフルーツの風味。くどくなく透明感ある味わい。果実の自然な甘さと酸のバランスがよく、やわらかさと感じます。アフターに少しだけ苦味があって味を引き締めています。

全体にやわらかさとバランスの良さを感じます。親しみやすさなど、雰囲気的には桃井さんのワイン造りの師であるエド・カーツマンさんが作るオーガスト・ウエストのロゼラズのシャルドネにちょっと似ているかもしれません。

一方、ピノ・ノワールも、色の透明感が第一印象。ラズベリーやストロベリーといったチャーミングな赤い果実の印象。プラムのような酸味も少し感じます。軽いタンニン。こちらもオーガスト・ウエストのグラハムのピノ・ノワールにちょっと似ている気がしました。

シャルドネとピノ・ノワールに共通するのは親しみやすさ。師であるエド・カーツマンさんが、パーカーの掲示板で一番人気のピノ・ノワール生産者に選ばれたほど実力があるのに、全く偉ぶらず、ワインもおいしさや飲みやすさを表現しているのとやはり共通していると思います。

同じ師を持ち、同じ地域でワインを作るフリーマンのアキコさんのワインは、親しみやすさを持ちながら、女性らしいデリケートさや軽やかな感じがありますが、アーサーと比べてみるのも面白いかもしれません。
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カリフォルニアワイン専門店 アーサーセラーズ ワインブティック