ダックホーンのワインと食事とのマリアージュを探る(前編)
2017年にはメルロー「スリー・パームス・ヴィンヤード」2014がワイン・スペクテーターのワイン・オブ・ザ・イヤーに選ばれて絶好調なのがダックホーン。傘下の5つのワイナリーも、それぞれの役割をきちんと果たしていて、どこもレベルの高いワインを作っています。
参考:
ダックホーン/パラダックス・セミナー 赤ブレンド老舗の気概
ダックホーン/パラダックス・セミナー 試飲編
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そんなダックホーンのワイン造りを束ねるニール・ベルナルディ氏が初来日し、ダックホーン傘下の各ワイナリーのワインと食事とのマリアージュを考えるセミナーが開かれました。
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マリアージュを指南したのはナパ・ヴァレー・ヴィントナーズの日本代表でもある小枝絵麻(こえだ・えま)さん。彼女のマリアージュの考え方は非常にシステマティックで、まず、ワインの「重さ」と食事の「重さ」を合わせること、そしてワインのフレーバーと共通する要素を持つ「ブリッジ食材」を使ってマリアージュを深めること、の2段階からなります。今回はさらに、食事の「重さ」を食材や調理法でポイント化することで、よりわかりやすくマリアージュを図れるように工夫されていました。
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参考:
ワインと食事のマリアージュに「ブリッジ食材」のマジック
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最初のワインはデコイのソーヴィニヨン・ブラン2016。デコイはダックホーンのセカンド的位置づけでしたが、現在はソノマに移り、ソノマ全域のブドウからコスト・パフォーマンスの高いワインを作っています。合わせる食材はグレープフルーツのシーフード・サラダ。
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ワイン自体もグレープフルーツの香りに、最後ハーブのニュアンスが残ります。酸はしっかりとしていますが、強すぎず、グレープフルーツとオレンジのフレーバーとバランスがいいです。
これをグレープフルーツのサラダと合わせると、どちらも似たフレーバーなのでもちろん合うのですが、ちょっと酸が強くなる感じがします。ところが、ここにライムを少しかけてあげることで、ワインの余韻が大きく伸びてきました。
次はマイグレーションのシャルドネ ロシアン・リバー・ヴァレー2014。マイグレーションは冷涼なソノマ・コーストのブドウからピノ・ノワールやシャルドネを作っています。料理はブランダード。魚のすり身とじゃがいもを牛乳で煮た、グラタンのような料理です。
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シャルドネは90%樽(30%新樽)を使った比較的クラシックな味わい。リッチでバニラの風味が心地よいです。ライチやオレンジのフレーバー。酸は強くないですが、フィニッシュを引き締めています。10ヶ月シュール・リーで熟成しており、うまみがしっかりとしているのも特徴。
ワインは料理のミルキーさとマッチしていましたが、魚のタラが淡白なので、若干ワインに押されている感じもします。そこでアーモンドを足すと、ワインのリッチさとうまくマッチしました。またさらにゆずを足すことでワインのリッチさがさらに増す感じがしました。
3つ目のワインはゴールデンアイのピノ・ノワール アンダーソン・ヴァレー2015。ゴールデンアイはメンドシーノのアンダーソン・ヴァレーのブドウでピノ・ノワールを作っています。55%新樽と、ピノ・ノワールとしては比較的樽を効かせた造りです。ラズベリーのような赤系の果実に、ほんのりブルーベリーのフレーバーが加わり、バニラのリッチさも感じます。リッチ系のピノ・ノワールではありますが、重くなく意外とするっと飲めてしまうのも面白いところです。
料理は豚のローストに黒にんにくを塗ったもの。
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豚の脂もしっかりあるので、割と重い味わいですが、リッチ系のピノ・ノワールにはよく合います。これにオリーブを使ったワインスプレッドや塩を加えることで、よりまろやかに感じられるような気がしました。
後半の3本に続きます。
参考:
ダックホーン/パラダックス・セミナー 赤ブレンド老舗の気概
ダックホーン/パラダックス・セミナー 試飲編
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そんなダックホーンのワイン造りを束ねるニール・ベルナルディ氏が初来日し、ダックホーン傘下の各ワイナリーのワインと食事とのマリアージュを考えるセミナーが開かれました。
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マリアージュを指南したのはナパ・ヴァレー・ヴィントナーズの日本代表でもある小枝絵麻(こえだ・えま)さん。彼女のマリアージュの考え方は非常にシステマティックで、まず、ワインの「重さ」と食事の「重さ」を合わせること、そしてワインのフレーバーと共通する要素を持つ「ブリッジ食材」を使ってマリアージュを深めること、の2段階からなります。今回はさらに、食事の「重さ」を食材や調理法でポイント化することで、よりわかりやすくマリアージュを図れるように工夫されていました。
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参考:
ワインと食事のマリアージュに「ブリッジ食材」のマジック
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最初のワインはデコイのソーヴィニヨン・ブラン2016。デコイはダックホーンのセカンド的位置づけでしたが、現在はソノマに移り、ソノマ全域のブドウからコスト・パフォーマンスの高いワインを作っています。合わせる食材はグレープフルーツのシーフード・サラダ。
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ワイン自体もグレープフルーツの香りに、最後ハーブのニュアンスが残ります。酸はしっかりとしていますが、強すぎず、グレープフルーツとオレンジのフレーバーとバランスがいいです。
これをグレープフルーツのサラダと合わせると、どちらも似たフレーバーなのでもちろん合うのですが、ちょっと酸が強くなる感じがします。ところが、ここにライムを少しかけてあげることで、ワインの余韻が大きく伸びてきました。
次はマイグレーションのシャルドネ ロシアン・リバー・ヴァレー2014。マイグレーションは冷涼なソノマ・コーストのブドウからピノ・ノワールやシャルドネを作っています。料理はブランダード。魚のすり身とじゃがいもを牛乳で煮た、グラタンのような料理です。
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シャルドネは90%樽(30%新樽)を使った比較的クラシックな味わい。リッチでバニラの風味が心地よいです。ライチやオレンジのフレーバー。酸は強くないですが、フィニッシュを引き締めています。10ヶ月シュール・リーで熟成しており、うまみがしっかりとしているのも特徴。
ワインは料理のミルキーさとマッチしていましたが、魚のタラが淡白なので、若干ワインに押されている感じもします。そこでアーモンドを足すと、ワインのリッチさとうまくマッチしました。またさらにゆずを足すことでワインのリッチさがさらに増す感じがしました。
3つ目のワインはゴールデンアイのピノ・ノワール アンダーソン・ヴァレー2015。ゴールデンアイはメンドシーノのアンダーソン・ヴァレーのブドウでピノ・ノワールを作っています。55%新樽と、ピノ・ノワールとしては比較的樽を効かせた造りです。ラズベリーのような赤系の果実に、ほんのりブルーベリーのフレーバーが加わり、バニラのリッチさも感じます。リッチ系のピノ・ノワールではありますが、重くなく意外とするっと飲めてしまうのも面白いところです。
料理は豚のローストに黒にんにくを塗ったもの。
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豚の脂もしっかりあるので、割と重い味わいですが、リッチ系のピノ・ノワールにはよく合います。これにオリーブを使ったワインスプレッドや塩を加えることで、よりまろやかに感じられるような気がしました。
後半の3本に続きます。