いくつか溜め込んでいるピノ・ノワール関連の話をまとめて放出しておきます。

◎Caleraの復権
 日本でも今年5月にテレビ番組で取り上げられてからカレラ・ジェンセンを中心としたブームが起こり,急激に入手困難銘柄になってしまいましたが,これほど極端ではないにせよ,Caleraの存在感は明らかに上がっていると思います。ParkerのWine Advocateで2004 Selleckが96,Jensenが94という高評価を取っていますし,大西洋を渡ったイギリスのJancis Robinson(のWebサイト)では「Calera Pinots back on form」という記事が出ています(会員専用なので読めませんが)。PinotFileにも6ページにわたる特集が掲載されています(リンクはこちら,PDFなので注意)。

◎ピノブームは続く
 Calera復権の背景にピノブームがあることは間違いありません。上述のPinotFileの9月17日号は「Starter Kit for Pinot Newbies」がテーマ(PDFのリンクはこちら)。takuyaさんが既に取り上げていますが,ピノブームで新たにピノを飲み始める“新人”向け記事で,一般論としてのピノを飲むときの心得や覚えておくべき生産者などが書かれています。最初の心得の部分は,よくまとまっていると思います。ちなみにここでもCaleraは飲むべきワインとして取り上げられています。初心者向けの入手しやすく安いピノのリストもありますが,日本に入っているのはほとんどないのが残念なところ。
 ピノブームについてはPress Democrat紙のWebでもSiduriからのニューズレターとして取り上げています。生産者にとってもこのブームにどう乗って,自らをどう位置づけるかは重要な課題のようです。

◎マニアは深い話題に…
 パーカーの掲示板では相変わらずマニアックな話題が横行していますが,最近のものではCaleraの古いヴィンテージのテイスティングで畑間の差が少なかったことから,根の張り具合とテロワールといった深い議論が起こったのが目に付きました。この手の話題になると必ず登場するのがCargasacchi VineyardのPeter Cargasacchi氏です。彼が出てくると議論に深みが出ます。