9月17日に開催されたWine Industry Financial Symposiumから「Trading Up: The Sustainability of Luxury Brands」という話がWines & Vinesに出ていました。要は「高級好み」の消費者の心をいかにつかんで,ワインの値段をどれだけ上げられるか,というようなことです。
"One way to set your product apart from the competition is by establishing brand authenticity. Luxury consumers want to feel like the products they buy are made according to tradition, Amspacher said, using artisan methods. Often they are associated with a particular region."

Wines & Vines - News Headlines - Attracting 'New Luxury' Consumers

結論としては「ブランドの信憑性を高める」ことが大事だということです。値段を上げたときに,ほかの製品に移ってしまうかそうでないかというときに,そのブランドが「信憑性がある」ものであれば,ユーザーは付いてくるそうです。

この層の顧客というのは年収でいうと8万ドル~12万5000ドル,日本円で1000万~1500万円ですから,「富裕層」よりは下になります。この層は「ハイエンドの経験」を欲しており,価格ではなくブランドや「インターネットを通じた経験」でものを買うこと,また熱烈なワイン飲みになりやすいこと,などが挙げられています。ワインを買う前に「予習」をたくさんするため「Webサイトでイメージを高める」ことも必要だそうです。

確かに,日本のワイン好きの層というのも,こういった像に当てはまりやすいような気がします。Opus Oneなんてムートンにも裏付けられた「信憑性あるブランド」の代表みたいなものですしね。昨今のカレラ・ブームもこういう層が中心なのかもしれません。それ以前に,日本人のフランスワイン好きなのも

僕のようにひねくれた消費者からは「もっともらしいことを言って値段を上げているだけ」に見えなくもないのですが…

ちなみに昨日取り上げようかどうしようか迷って結局書かなかった記事に,高級ワインの値段はどうして上がり続けるのかという話があったのですが,そこでも消費者が「供給が少ない上級品」に集中するから,といったことが書いてありました。そのあたりが「ワインファンド」の成り立つ理由でもあり,ちょっと後味の悪さを感じます。