ナパでカスタム・クラッシュが増えているそうです。カスタム・クラッシュとはブドウを持ち込んでプレス,醸造,さらには貯蔵やボトリングまで行う設備のこと。ワイナリ設備を持たない小さなワイナリが使います。ワイナリの機器は高価なので,共有のものを使うことでコストが抑えられるわけです。Crushpadも一種のカスタム・クラッシュです。
"Custom crush is booming in Napa Valley."

Wines & Vines - News Headlines - Custom Crush Boom in Napa
ナパのカスタム・クラッシュはCrushpadのような素人相手中心のものではなく,ワイナリが顧客。それだけ小さいワイナリが増えているということなのでしょうね。

以前,Wine 2.0という話を書きましたが,ワインの世界でもロングテール(書籍などの世界で小部数のものの積み重ねが一部の大部数のものの部数に匹敵する量になるといわれていること。部数の多いものから棒グラフで並べていくと,右側の低く長い「尻尾」の部分がそういった小部数の積み重ねに相当することから名付いた)が起きているのだと思います。確かにインターネットの掲示板などで話題になるワインは,大量生産のものよりも,マイナーなものが多いですよね。

余談になりますが,こういったロングテールの世界ではワイナリとユーザーが直接取引して購入するスタイルが中心になります。一方で,Wine 2.0の雄の一人であるGary Vaynerchukは,ワインショップ「Wine Library」のディレクタが本職。Wine 2.0でワインショップの位置付けがどう変わっていくのかいかないのか,興味深いところですが,Wine Libraryがこの世界にどう適応してくのかも興味あります。